半径の変わる回転体の強制変位を模擬する例題

altair_fukuoka
Altair Employee

はじめに
回転体というと、動きを回転角で与えるこちらの記事の方法が簡単です。
しかしこちらの場合、物体を剛体化してますので、半径が変わることができません。
油圧やアクチュエータ、またはチェーン、ロープの巻き取り、ロック機構などにより、半径を管理できる物体の場合には不向きです。
自由体として半径を強制変位などで管理いたいなら、こちらのように円筒座標系を使う方法があります。
しかし、半径変わる物体において、周方向の変位を長さで管理するのは、なかなか大変です。それなら、いっそ実験や機構解析で、X,Y,Z 座標履歴を取得して、その X,Y,Z を直接強制変位掛ける方が簡単かもしれません。
やはり、回転体は、半径と回転角で変位を与えるのが、楽なのではないでしょうか?そこで本記事では、周方向の移動は、回転角度で、半径の移動は円筒座標系 R を用いて行う例題を示します。
例題1: 半径が自由に伸縮する物体の強制回転移動
モデルのダウンロード:
今回、白羽の矢を立てたのは、KJOINT2 ばねによるシリンダジョイントです。シリンダジョイントは、名前の通り、軸の回転と軸の伸縮だけできます。もし軸の回転が不要なら、/PROP/KJOINT2, Type=6 並進ジョイントでも良いです。
このように、左側のパーツを 180度ぐるんと回します。
強制変位は、このように回転角度です。
ラジアンのため 3.14=180度です。
このような結果となります。半径方向には剛性がないので、どんどん離れていきます。
半径に円筒座標系で強制変位を与える例題
モデルのダウンロード:
先ほどのモデルに、このように、いったん伸びて、元に戻る強制変位を衛星側に与えます。
円筒座標系を使うため /IMPDISP の Icoor=1 オプションを立てています。
結果です。回転しながら、離れて戻ってくる様子が表現できています。
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