ある現象の結果から、ことなる現象の結果を予測してみる

altair_fukuoka
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Altair Employee
edited November 12 in Altair RapidMiner - 日本語

始めに

これまでに、何度か CAE の結果から実測値を予測できるのかとか、CAE の結果と実測値の結果の差を予測できるのか、という問い合わせを受けたことがあります。

結論から言うと、できます。というのも、私たちは普段、何かが入力や設計変数で、何かを出力や応答、結果と受け止めています。例えば CAE モデルを入力と受け止めて、計算して出てきた数値を結果と受け止めています。これは私たちが勝手に受け止めているだけであり、RapidMiner にとっては、2つの値に関係性さえあれば、どちらが入力で、どちらが出力であってもかまわないからです。

そこで、本記事では、簡単な梁の曲げ解析を例にして、この件を掘り下げてみたいと思います。

 

例題

今回は、次のような矩形断面の片持ち梁について、せん断力を与えた場合と、モーメントを与えた場合を考えます。通常では、矩形断面の幅と高さが分かれば、どちらの荷重条件に対しても、たわみは計算で求めることができます。つまり

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普通の CAE や手計算であれば、意識しているかどうかに関わらず、次のような関係性で、問題を解いているわけです。

入力 出力
梁断面の幅、梁断面の高さ せん断力によるたわみ、モーメントによるたわみ

 

 

そこで、本記事では、あえて

  • 断面高さを取得することはできない
  • 2条件に対するたわみは取得できる
  • 上記2個の情報から、モーメントによるたわみを予想したい

とします。つまり、次の関係とするわけです。

入力 出力
梁断面の幅、せん断力によるたわみ モーメントによるたわみ

 

RapidMiner 用に用意したデータセットは次のようなものになります。データセットを自分で作らなくてはならない都合で、断面高さの情報も入っていますが、本記事では、そこにそのようなデータはないものとして扱います。

image

 

RapidMiner モデルは次のような単純なものです。

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この結果、ほぼ完ぺきに予測することができています。

image

 

(梁のたわみの解析において、矩形断面幅と断面高さからたわみを出せるということは、幅とたわみから高さを出せるということなので、今回の問題は、数学的に答えが一つに決まっているので、予測モデルを鍛えた分だけ正確な答えを出すことができています)

 

本記事の内容を試してみたい方は、次のファイルをダウンロードして試してみてください。

エクセルファイル: doe_1.xlsx

RapidMiner モデル: example01.rmp

 

まとめ

本記事では、普段、結果や出力などと受け止めている物理量を、RapidMiner では入力として使うことができ、そこからほかの結果を予測することができることを示しました。

このテクニックを使うと以下のようなことが可能になります。

  • CAE の結果を用いて、実測値を予測する
  • CAE と実測値のずれを予測する