製品の動作環境を考慮した疲労寿命予測をすべてシミュレーションで
始めに
機構部品、構造部品を設計製造している皆様には、製品の疲労、寿命予測は重要な課題かと思います。
疲労寿命は、特定の負荷条件で、どれくらいのサイクル数壊れないかを評価するためのものですから、その負荷条件を決めなくてはなりません。簡単に手計算で求まるようなものもあるでしょうが、実際に動かして測定してみないと分からないものも多いでしょう。試作前に、なるべく疲労寿命の高い設計をしておきたいが、実際に動かしてみないと分からないというのは、なかなかのジレンマだと思います。
アルテアエンジニアリングの提案するソリューション
機構解析ソフト MotionSolve と疲労寿命解析ソフト HyperLife の組み合わせを提案します。
機構解析ソフト MotionSolve ですが、機構の動きを模擬するツールです。機構の動きは、実は、ジョイントなどの作用点の位置だけで決まるものですから、作用点に狙った力がかかるように MotionSolve で位置を作りこんでから、実際の製品の肉の設計をする、なんていうこともできますが、本記事ではそれは横においておきます。実際に製品の形を決めれば、作用する力だけでなく、製品にかかる応力分布も評価することができるようになります。つまり実稼働状態の製品の応力状態、負荷荷重を、シミュレーションで予測することが可能になるわけです。
そして疲労解析ソフト HyperLife は当然 MotionSolve の計算結果に対して疲労寿命予測ができます。MotionSolve で実稼働1サイクルを模擬しておけば、HyperLife で何サイクル程度の疲労寿命になりそうか、予測ができるわけです。
具体的な図、アニメーションで説明しますと、まずはじめに、次のように、MotionSolve で製品稼働サイクルをシミュレーションして、対象部品、ここではレバー、の応力履歴や荷重履歴を求めます。
その結果を HyperLife で評価すると、レバーの先端が 700回くらいで壊れそうだ、ということがわかるわけです。
また、HyperLifeはMotionSolve弾性体のモード情報を活用するので、非常に短時間で疲労計算を行うことができます。
このように実稼働状態の応力、負荷荷重の評価と、疲労寿命予測が、シミュレーションで完結します。
演習書
ユーザー様限定で、演習書を公開しています。
https://community.altair.com/community?id=kb_article_view&sysparm_article=KB0115721