HyperStudyのDOEデータからAI Studioでディープラーニングによる予測モデルを作成し最適化する方法
本記事では、HyperStudyのDOEデータからAI Studioでディープラーニングによる予測モデルを作成し最適化する方法を紹介します。
HyperStudy単体でも各種予測モデルは作成可能ですが、ディープラーニングのモデルを作成することはできません。
AI StudioはAltairのデータ分析プラットフォームで、ディープラーニングを含む様々なアルゴリズムで予測モデル作成し、最適化を行うことも可能です。ノーコード、ローコードツールで準備されたブロックを接続するだけで、どなたでも簡単にデータ分析が可能です。また、KSK様ご提供の実務直結型トレーニング 「Learning サブスクリプション」により、DX人材の育成も支援しています。
本記事で使用したデータとモデルは下記よりダウンロード可能です。
モデル
下記で計算したバケットパラメータを様々に変化させた場合のDOE結果を使用します。
パワーショベルの掘削シミュレーションにおけるバケット形状のDOE・最適化
HyperStudyからのデータの出力
EditのRegister Reportでレポートフォーマットを追加します。
インストールフォルダにあるレポートのサンプルのうち、hst_report_csv.pyを登録します。これでcsvフォーマットで結果を出力できます。
C:\Program Files\Altair\2023.1\hwdesktop\hst\etc\examples\reports\hst_report_csv.py
DOE後、Reportより先に登録したcsvフォーマットのレポートを選択して出力します。
AI Studioによる予測モデル作成
バケットパラメータ(前後長さR、カットアングルβ、フロント壁高さl1、ボトム円弧半径r)を入力として、掘削土量massを予測するモデルを作成します。
AI Studioでは以下のように設定します。
CSVファイルの読み込み
Read CSVブロックを配置し、CSVファイルを読み込みます。
Edit Listで今回使用するR, beta, l1, r, massのみチェックを付けます。他のデータはチェックを外します。
massのみattributeをlabelに変更します。これで、massを予測したいデータに設定できます。
Deep Learningによる予測モデル作成
Deep Learningブロックを配置し、Read CSVのブロックと接続します。
これで、R, beta, l1, rの4つの入力値・設計変数から、出力・応答値massを予測する設定となります。
Deep Learningブロックのパラメータで、活性化関数、隠れ層のレイヤー数・ニューロン数、エポック数などを設定します。
予測精度の確認
Apply Modelブロックを配置し、Deep Learningブロックで作成したモデルと設計変数のデータを接続すればmassの予測値を確認できます。
設計変数のデータは、トレーニングに用いたものと同じデータを使用する場合は、MultiplyでRead CSVのデータを分岐させて、Apply Modelに使用することができます。各ブロックの出力を画面右のresに接続すると、プロセス実行後、結果を確認できます。
結果の確認
プロセスの開始を実行すると、各ブロックの処理が実行され、結果が表示されます。
Apply Modelの結果を見ると、データタブで予測値をテーブルで見ることができます。
可視化タブでデータをプロットできます。
横軸がmassの正解、縦軸がmassの予測値でプロットすると、精度良く予測できていることがわかります。
ほか、Deep Learningのモデルの概要なども確認できます。
AI Studioによる最適化
最適化を行う場合は、デザイン画面に戻り、Model Simulatorブロックを配置します。
Deep Learningブロックで作成したモデルとMultiplyで分岐した設計変数のデータを接続すれば、モデルのシミュレーション・最適化が行えます。
再度、プロセスの開始を実行すると、各ブロックの処理が実行され、結果にModel Simulatorのページが追加されます。
Model Simulatorでは、設計変数をスライダーバーで動かすと、massの予測値がすぐに更新され、設計変数と予測値の関係をインタラクティブに確認できます。
また、Optimizeで設計変数の最適値を求めることができます。
たとえば、massが最大となる設計変数の組み合わせを求めることができます。
Finishをクリックすると、Input for Modelの値が最適値に更新されます。
(本サンプルはデータ数が少なく、乱数の影響があるため、必ずこの画面と同じ値になるとは限りません。)
最適化した設計変数をCADに適用すると、掘削質量massを最大とするバケット形状は以下となりました。
また、形状変更したバケットを用いたMotionSolve-EDEMの掘削シミュレーションを行い、掘削土量は20%増加することがわかりました。
関連記事
使用ソフト
AI Studioを用いた実務直結型トレーニング「Learning サブスクリプション」