機械学習と1Dシミュレーションを活用したパワーエレクトロニクス設計
2024年11月28日から29日に広島で開催された1DCAE・MBDシンポジウム2024において、「機械学習と1Dシミュレーションを活用したパワーエレクトロニクス設計(Power Electronics Design Leveraging Machine Learning and 1D Simulation)」というテーマで講演を行いました。
エレクトロニクス産業は、航空機、車両、家庭用電化製品など、さまざまな分野で重要性が増しています。しかし、これらのシステムを効率的かつコンパクトに設計するためには、熱管理という大きな課題を解決する必要があります。本講演では、機械学習と1Dシミュレーションを活用して、熱流体特性を考慮した新しいパワーエレクトロニクスの熱設計手法についてご紹介します。
具体例として、家庭用洗濯機を対象に、次のような方法でモデル化を行いました。
- モータードライブには、パワーエレクトロニクスシミュレーションツール「Altair PSIM」を使用しました。
- 筐体は、マルチボディダイナミクス解析ツール「Altair MotionSolve」でモデル化しました。
- 冷却システムについては、3D熱流体解析ツール「Altair SimLab / ElectroFlo」を用いました。
さらに、機械学習によるモデル低次元化技術「romAI」を活用し、これらを1Dシミュレーションツール「Altair Twin Activate」上で統合的に連成解析を行いました。この方法により、実運用条件下でのスイッチングデバイスにおける精密な熱管理シミュレーションが可能となり、設計効率の向上と性能最適化を両立する成果を得ました。
このアプローチは、製品の信頼性向上や寿命延長に大きく貢献する可能性があります。エレクトロニクス産業における新たな設計指針として、多くの応用が期待されています。
講演資料と講演論文は下記よりダウンロードいただけます。
使用製品:
パワーエレクトロニクス・モータードライブ解析ソフトウェア | Altair PSIM
複合領域のモデルベース開発ソフトウェア | Altair Twin Activate
マルチボディシステムシミュレーション| Altair MotionSolve
大規模有限要素モデリングとアセンブリ | Altair SimLab