PSIM 2023.1でPython APIがサポートされました。
 シミュレーションの実行、リスタート、schematic内の要素の作成、編集などがPythonコマンドで実行できます。
 本記事ではセットアップ方法を説明します。
 PSIMのインストールにはPythonが含まれませんので、別途準備いただく必要があります。
 本記事ではAltairの科学技術計算ツールAltair Composeを使用します。 Altair Composeでは、Matlab互換のOpen Matrix LanguageやPythonを使用したコーディング、デバッグが可能です。
  
 Altair Composeのインストール
 Altair ConnectまたはMarketplace からインストーラをダウンロードいただけます。今回はAltair Compose 2023を使用します。ダウンロード後、インストールしてください。
 

 Altair Composeをインストールすると、デフォルトのインストール先の場合、下記にPythonがインストールされます。
 C:\Program Files\Altair\2023\common\python\python3.8\win64\python.exe
  
 PSIMのPython APIのインストール
 PSIM 2023.1をインストールすると、下記にPythonのwhlやサンプルが格納されています。
 C:\Altair\Altair_PSIM_2023.1\Python
 Altair Compose 2023で使用しているPythonは3.8なので、
 C:\Altair\Altair_PSIM_2023.1\Python\3.8\psimapipy-2023.1-py3-none-any.whl
 を下記の手順でPythonにインストールします。
 コマンドプロントを管理者権限で実行した後、
 
 C:\Altair\Altair_PSIM_2023.1\Python\3.8\に移動します。
 cd C:\Altair\Altair_PSIM_2023.1\Python\3.8
 移動先で下記コマンドを実行します。
 "c:\Program Files\Altair\2023\common\python\python3.8\win64\python.exe" -m pip install psimapipy-2023.1-py3-none-any.whl
 
 これで、Compose上のPythonでPSIMのAPIが使用できます。
  
 サンプル
 下記にpythonスクリプトのサンプルが格納されています。
 C:\Altair\Altair_PSIM_2023.1\Python\Samples
 Altair Composeのファイルブラウザで上記パスに移動し、Pythonファイルを開くと、コードが表示されます。
 開始をクリックするとPythonが実行され、PSIMの処理が行われます。
 
 格納されているサンプルはPython初心者には少々難しいものが多いので、簡単なPythonコードを作成しました。
 buck.psimschのパラメータを変えて実行するだけのサンプルです。PSIM.exeのあるパスとbuck.psimschのあるパスを皆様の環境に合わせれば実行できます。
 from psimapipy import * strPSIM_folder_Path=r"C:\Altair\Altair_PSIM_2023.1" str_sample_folder = r"G:\data\PSIM_Training\python\Samples\PythonTest" p1 = PSIM(strPSIM_folder_Path) res1 = p1.PsimSimulate(str_sample_folder + "\\buck.psimsch", str_sample_folder + "\\graphs\\buck1.smv", Simview=0, Vin=10, C = "500u", R = 2.5, Fsw="20k", L=5e-6, TotalTime= 0.01, TimeStep=1E-7)
  
 PSIMのGUIからPythonを実行する
 PSIMのGUIからPythonを実行するには、オプション -> パス設定からpythonのパスを指定します。
 C:\Program Files\Altair\2023\common\python\python3.8\win64\python.exe
 
 C:\Altair\Altair_PSIM_2023.1\User Defined
 に保存したPythonファイルがスクリプトメニューに表示されます。
 表示されたPythonスクリプトをクリックするとPythonが実行されます。
 
 PSIMのschematicに要素を追加したり、すでにある要素の情報を読み取り、書き換えるなどのAPIも提供されておりますので、PythonコードでPSIMのschematicを自動生成するなどの応用が考えられます。ご興味あるかたは下記サンプルご利用ください。
 Demo_PsimCreateNewElement.py
 Demo_PsimGetElementList.py
  
 使用製品:Altair PSIM, Altair Compose
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