プリント基板の衝撃解析


プリント基板の設計評価ツールAltair PollExについて、基板のサンプルデータをもとに構造解析用モデルを作成し、Altair Radiossによる衝撃解析を実施した事例をご紹介します。

背景と目的
 
電機製品が落下したときやトラックによる搬送時などにおいてプリント基板に衝撃力が発生します。
衝撃力などによるプリント基板の剥離発生の詳細な挙動を実験的に評価することは困難です。
そこで有限要素法による衝撃シミュレーションを実施し、剥離発生部位を予測する手法を検討します。
本例ではAltair PollExのサンプル基板モデルをもとに衝撃解析コードAltair RADIOSS用モデルを構築し、解析を実施します。

衝撃解析のワークフロー
 
Altair PollExにプリント基板のサンプルモデルを読み込み、CAD形式のデータをエクスポートします。
ここで基板と配線パターンのデータはODB++形式、ICチップやコネクタなどの部品はSTEP形式で保存します。
Altair SimLabにてODB++データをインポートし、基板と配線パターンのメッシュを作成してSTL形式でエクスポートします。
STEP形式のデータおよびSTLデータをAltair HyperWorksにインポートし有限要素メッシュ作成および衝撃解析の設定を行います。
Altair RADIOSSにより衝撃解析を実施し、Altair HyperWorksのポストプロセッサ(HyperViewおよびHyperGraph)により結果を処理します。

衝撃解析モデル
 
本件で作成した解析モデルの概要を以下に示します。

衝撃解析条件・結果

プリント基板の衝撃試験規格(JESD22-B111)で定義された衝撃加速度(最大1500G)を負荷します。
負荷開始から3msecまでの解析を行い、剥離発生部位を予想します。
解析時間は32並列クラスタマシンで40時間程度でした。


 

まとめ

アルテアのシミュレーションツールを用いて、実験では困難な衝撃荷重によるプリント基板の剥離発生の予測を試みました。