始めに
本記事では、ソリッド要素の要素品質に応じて、要素を削除する方法を、例題を通して説明します。
材料 /MAT や破断 /FAIL での応力やエネルギなど物理的な意味合いを持つ破断判定による要素削除と違い、要素品質のみでの判定なので、手軽に使える反面、注意しなくてはならないこともありますので、その辺りをお伝えします。
仕組み
/PROP/SOLID カード内で指定します。
Vdef_min: 体積変化率が本指定値を下回ったら、要素削除
Vdef_max: 体積変化率が本指定値を上回ったら、要素削除
APS_max: アスペクト比が、本指定値を上回ったら、要素削除
COL_min: テトラ Collapse 値が、本指定値を下回ったら、要素削除。ヘキサ要素は対象外
アスペクト比と Collapse 値は、HyperMesh の測定方法に準じています。
例題1: Vdef_min で小さくなったヘキサ要素を削除
ダウンロード:
内容は、こちらのアニメーションの通り、ヘキサ要素を押しつぶしています。
Vdef_min = 0.4 としています。
例題2: Vdef_max で大きくなったヘキサ要素を削除
ダウンロード:
今度は上に引っ張っています。
Vdef_max=1.3 としています。
例題3: ASP_max でゆがんだヘキサを削除
ダウンロード:
今度は、真横にずらして、ゆがませていきます。
ASP_max=5.0 としています
例題4: COL_min でつぶれたテトラ要素を削除
ダウンロード:
COL_min のみテトラ要素専用です。もともとテトラ要素にしかない要素品質項目だからです。
今回は、右下に押しつぶしていきます。
COL_min = 0.1 としています。
注意点
ASP_max と COL_min は、要素の形だけに依存するので、初期メッシュの品質が悪いと、時刻 0 でいきなり消えます。