始めに
2025.1 時点で最も汎用性の高い /INTER/TYPE25 を使うと、シェル要素は自動的に、シェル要素の板厚の半分で接触判定します。
ただ、メッシュを変更せずに板厚だけ変えたりすると、例えばつらつらで作成してあった接触部分は、初期干渉したり、隙間ができたりします。
シェル要素は、板厚定義だけ変えて流しなおすことが多いので、要素の板厚とは異なる場所で、接触判定距離を指定できると便利です。
それが /PART カードの Thick オプションです。
これは接触判定距離にのみ使われます。応力ひずみといった物性には影響しません。
例題
10mm の隙間をあけておいて、ソリッド要素をシェル要素に押し付けていきます。
せっかくですので、シェルの要素特性の板厚を 1.0mm とし
要素自体には、板厚を 20mm とし、
パートに板厚 10mm として、どれが優先的に使われたのかを見てみましょう。
本記事のように /PART が優先的に使われたのであれば 10mm/2 = 5mm の隙間で判定するはずです。もともと 10mm の隙間があるので 5mm 動いたところということになります。
こちらが HyperGraph で移動量と反力の関係図を描いたものです。わかりやすく、絶対値で表示しています。
期待通り、/PART の板厚が優先されたことがわかります。