はじめに
Radioss の剛体 /RBODY は、自由に動き回っていることが多いので、ついつい忘れがちですが、剛体の真ん中の節点で、周りの節点の運動を完全に拘束している、非常に強い拘束条件です。
ですので、このように、剛体の周りの節点に同じく拘束条件である強制変位 /IMPDISP を付けるとおかしな結果になってしまうことがあります。
本記事ではこの例題について解説します。なおタイトルでは /IMPDISP としていますが /IMPVEL, /IMPACC にも共通します。
例題
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このモデルは、物体を 10mm 右に動かすというつもりの例題になっています。ただし、このようにまったく動きません。
全く動いていないのに、外力の仕事だけは発生してしまいます。
このようにまったくおかしな結果になってしまいます。
今回のように、モデル全体を動かしているモデルだとわかりやすいですが、大きなアセンブリの中の一部だったりすると、見つけにくいと思います。
ですので、このエラーメッセージを見たら要注意です。緑のところに /RBODY と /IMPDISP が過拘束じゃないか?としっかり指摘があります。
(ちなみに 12 という数字は、周りの節点の X 変位は、真ん中の節点の Xの並進, Y軸の回転, Z軸の回転の 3自由度の変化で発生し、それが 4節点あるので、3x4=12 自由度、だと思います。間違っているかもしれません)
まとめ
- _0000.out に INCOMPATIBLE KINEMATIC CONDITION の警告が出る
- 動かしたつもりの節点が全く動かない
- 変な仕事が発生してしまう。
回避方法
剛体の真ん中の節点に強制変位 /IMPDISP を付けなおすだけです。例題の 0101fix フォルダに修正したものがあるので、参考にしてください。
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