初めに
/MAT/LAW117 などの接着モデル材料 (*1) に使うヘキサ要素には、専用の要素プロパティ /PROP/CONNECT (/PROP/TYPE43) を割り当てます。
この材料を、横方向に引っ張っても、応力が一切出ません。それを示す例題と、なぜそうなるのか、というのを、本記事で説明します。
*1) 接着剤の材料そのものであるプラスチックの材料を良く表すのではなく、接着部分のモデル化に便利な材料、という意味で、接着材料ではなく、接着モデル材料と表現しています。
例題
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このような、ぺったんこなヘキサ要素を、横手に引っ張るだけのシンプルなモデルです。
そして、まったく応力が出ません。
本記事は、/MAT/LAW117 等、接着モデル部分についての説明が本題ではないので、それらは、こちらの記事を参考にしてください。
材料には、きちんと横手方向の剛性も与えています。剛性を 0 にしたわけではありません。
この要素は、見た目はヘキサですが、実際の中身は、次のような4本のバネだと捉えると、この現象が理解できます。
横にいくら引っ張っても、バネが移動するだけで伸びないので、応力も発生しません。
これが、応力が出なかった理由です。
ちなみに、せん断変形させれば、ばねが伸びるので応力も出ます。
これにて、私がこの材料を、「接着剤の材料」ではなくて「接着モデルの材料」と呼んでいる理由もお判りいただけたかと思います。