初めに
OptiStruct で弾塑性材料というと MATS1 でして、TABLEST というカードと組み合わせることで、温度依存性のある応力ーひずみ(または塑性ひずみ)線図を与えることができます。
例題を通して、解説します。
例題
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モデルはシェル 1要素の引っ張りモデルです。フォルダが2個あるのは、300K 環境下と 600K 環境下での、それぞれの引っ張り試験です。
与えている応力ー塑性ひずみカーブです。常温 300K では 10MPa で降伏し、600K では 1MPa で降伏するとしています。
古典的な材料向けの表カードは TABLES ですが、数字のペアを横に書かなくてはいけないので、テキストエディタでカードを作る場合や、少し訂正を加えたいとき、または値を見て雰囲気をつかむときなどに、不便です。
ですので私は読みやすくて、編集もしやすい TABLEG を好んでいます。先ほどのスクリーンショットの通りですね。HyperMesh で作業する限りでは、使用感に違いはないので、この辺はお好みです。
TABLEG だけだと、どの温度の時のカーブかわからないので (ID と 名前に 300, 600 と入れていますが、これは読む人にわかりやすいだけで、OptiStruct には関係ありません)、TABLEST で繋げます。
温度と TABLEG/TABLES1 の ID (=TID1,2,3,,,) のペアを作るというカードです。ヘルプには TABLEG に関する言及がないですが、使えます。
本モデルでは、こうなっています。
最後に、これを MATS1 に参照させて完成です。
温度条件は 300K と 600K の 2通りを用意してあり、
ケースコントロールカード TEMPERATURE で切り替えています。
(流用しているので LABEL 行は変更し忘れています。解析に影響のないカードなのでご容赦願います)
300K では 10MPa で降伏し、
600K では 1MPa で降伏するという、期待通りの結果が得られています。
ちなみに、サブケース中、TEMPERATURE(INITIAL) から TEMPERATURE(LOAD) に温度が変化します。今回は、同じ荷重コレクタ ID を与えて、温度一定の中でやっていますが、温度変化を考慮するなら TEMPERATURE(INITIAL) と TEMPERATURE(LOAD) で参照する温度条件を変えます。