大阪公立大学小型宇宙機システム研究センターの清水です。現在私たちが開発している人工衛星【OMUSAT-Ⅲ】の運用では、アマチュア無線を使用する予定ですが、アマチュア無線の簡単な説明と、最近の活動についてお話します。
電波法において、アマチュア業務は以下のように定義されています。
金銭上の利益のためではなく、専ら個人的に無線技術に興味を持ち、正当に許可された者が行う自己訓練、通信及び技術研究のための無線通信業務。
この定義からもわかるように、アマチュア無線は営利を目的とせず、個人の趣味として無線技術の探求、自己訓練、そして国内外のアマチュア無線家との通信を通じて、技術の向上や国際親善を図ることを目的としています。また、アマチュア無線局を開局するためにはアマチュア無線技士の国家資格が必要です。
大学衛星でアマチュア無線を使う理由は、維持費が圧倒的に安いからです。日本にある無線局は総務省に対して電波利用料を支払う必要がありますが、アマチュア無線局はそれがほかの業務無線局と比べてとても安いです。年間300円で電波を法律に則った範囲で電波を使用できます。また、アマチュア無線家は世界各地におり、その方々からの受信協力によって、自分たちの衛星のデータを簡単に集めることが出来るのも理由の1つです。
衛星の開発業務の一つに、アマチュア無線アンテナのパターンを計算するというものがあります。今回は、衛星の簡易的なモデルを用いたアンテナのパターンを、Altair Fekoを使って計算しました。
グラフは周波数とVSWRの関係です。設計通り特定の周波数でVSWRが最小になりました。
SSSRCでは、OMUSAT-Ⅲを2027年中に打ち上げることを目標に日々開発を進めております。これからも応援のほどよろしくい願いします。