始めに
Radioss の周期的境界条件 /BCS/CYCLIC の例題を示します。
https://help.altair.com/hwsolvers/ja_jp/rad/topics/solvers/rad/bcs_cyclic_starter_r.htm
このように、なんとなく想像のつく、シンプルな入力です。
円筒座標系に使う座標系を支持することからも分かるように、あくまでも円筒形状の物体のカット面に対する、周期的な境界条件になります。
とにかく、例題を見てみましょう。
例題
ダウンロード:
ばねが一本あるだけのシンプルなモデルです。水色の座標系 /SKEW が円筒座標系として使う座標系です。
残念ながら本稿執筆時点の HyperMesh 2025 は未対応なので、手書きでインクルードファイルにしています。HyperMesh に import → export とすると壊れるので、気を付けてください。
インクルードファイルについてはこちら。
フォルダが 2個ありますが、節点 2 を右に引っ張るか、下に引っ張るかの違いです。力 /CLOAD を入れています。
/IMPDISP などの拘束条件を与えるとエラーになります。ロジックの上では、グループ1と2のどちらかの節点が独立で、どちらかが、そこに従属という形のはずですが、Radioss では、拘束条件が与えられた時点でエラーで弾くようです。そのため、拘束条件は使用できません。添付はしていませんが、ぜひ試してみてください。
それぞれの結果をアニメーションで見てみましょう。投影先で同じ自由度に同じだけ変位している様子が分かります。
注意点
すでに境界条件は与えられないことは述べましたが、他にも2個注意点があります。
一つ目ですが、本機能、投影先で一番近い節点を見つけて、自由度の変位量を等しくするものです。ですので、節点位置がずれていても使えます。このように極端にずれていても、機能としては成り立ちます(右にずらす例題です。節点3 を 1000mm ずらしました)。
ただ、見てわかるように、ずれに応じて、変位量を調整するようなことはないです。ですので、HyperMesh でメッシュを回転させるなどして、投影先の節点の位置がぴったり合った状態で使うことが基本になります。
二つ目ですが、補完するような機能が無いというのと、根っこの部分は同じだと思うのですが、グループ1 とグループ2 で節点の数をそろえる必要があります。
この状態では次のエラーがでます。
節点の数をそろえるためには、HyperMesh でメッシュの回転コピーなどを使ってモデルを作る必要があります。
注意事項まとめです。
- 拘束条件は付けられない
- HyperMesh でメッシュの回転コピーなどで、双方のメッシュを一致させる
- ずれていても変位量の補完等はない
- 節点の数が違うとエラー
モデルを添付していませんが、一度、実際にやってみておくと良いかと思います。