はじめに
非線形静解析では、少しでも収束をよくするために、荷重で変形させるのではなく、強制変位で変形させることが良くあります。
とはいえ、強制変位でも座屈が起きれば収束できませんので、ある程度反力が出たところで、計算を打ち切りたい、という場合もあると思います。
OptiStruct には SENSOR というカードがあり、このコントロールができます。
本記事では、実際に例題を一つ示します。
SENSOR カードの説明
バルクセクションで定義した SENSOR カードを、サブケースセクションで参照するという仕組みになります。
まずは、バルクセクションの SENSOR カードの説明を、拘束反力到達で打ち切る場合について、説明します。
https://help.altair.com/hwsolvers/os/topics/solvers/os/sensor_bulk_r.htm
本例題に使う項目は次の通りです。
それぞれの項目の説明です
- SID = このセンサーカードの ID
- TYPE = SPCF
- COMP = FX など荷重成分記号
- ID = 節点番号
- COND = そのまま文字列 COND
- CTYPE = BOUND
- LBOUND = 反力上限値
- 気持ちとしては、上限に達したら打ち切りたいので UBOUND に入れたくなりますが、センサーは、荷重が LBOUND から UBOUND の間に入ると反応します。普通、非線形静解析は荷重 0 から始まるので、0 から LBOUND までは、センサーは無反応、LBOUND を超えたら反応する、ということで LBOUND に入れることになります。
- ACTION = 文字列 ACTION
- ATYPE = ERROR
そしてサブケースセクションですが、こちらは簡単で、SENSOR = 参照したいセンサーの SID となります。
https://help.altair.com/hwsolvers/os/topics/solvers/os/sensor_subcase_r.htm
ところで、HyperMesh 2025 は SENSOR の TYPE=SPCF に未対応です。ですので、今回の例題は、テキストエディタで SENSOR カードを記述する必要があります。
例題
ダウンロード:
こちらは、1要素の引張試験モデルです。センサーで止めなければここまで伸びます。
今回は、この節点の X 拘束反力が 30000N になったところで、止めたいと思います。
バルクセクションの SENSOR はこうなっています。
これをサブケースセクションから参照しています。
実行すると、インクリメント時刻 0.6 で終わります。あくまでもエラー処理として止まっているので、エラーメッセージが出ますが、本当のエラーではありませんので、びっくりしないでください。
また、.h3d を見ても、30000N を超えたインクリメントで終わっています。NON-CONVERGENT と出てますが、最終インクリメント時刻 1.0 に到達していないというだけであり、このインクリメントが発散している、というわけではないので、こちらもやはり、びっくりしないでください。