Radioss 計算途中でマススケーリングの追加質量を減らす

KOBAYASHI
KOBAYASHI
Altair Employee

落下解析などで、ボルトのプリテンションや防水パッキンのゴムを潰してから落下、などと言う状況が良くあります。その場合、ボルトの締め付けなどの準静的な解析ではマススケーリングを大きくし、計算時間を短縮させ、落下などの質量増加が結果に影響の大きい解析ではマススケーリングを控えめに適用したい、と言ったご要望を頂くことがございます。

実は、以前はそのようなことが出来なかったのですが、近年のversionから/MASS/RESETと言う機能が実装され、ご要望を実現することが可能です。

/MASS/RESET

簡単なモデルで確認しました。適当なモデルで最初にボルトを締め付け、その後落下させます。

その時のエンジンファイルの設定は下記です。

  1. ボルト締め付け時は10%質量を増加させ、タイムステップを増加させます。
  2. 落下時は2%の質量増加としています。/MASS/RESETを記載することで、0001.radの質量増加がリセットされます。
  3. 途中から落下させるので、エンジンファイルに、初速カードを記載しています。
    1. /INIV/TRA/Keyword3/1

計算し、モデルの質量とタイムステップの時刻歴をグラフ化しました。途中(t=0.03)で質量増加が減少し、タイムステップも減少していることがわかります。

多くの場面でご活用頂けると思っています。検証に使った簡単なサンプルモデル添付しました。質量増加を%で指定する機能と/MASS/RESET機能の併用に以前はバグがありましたので、v2024.1以降、新しいものをお使い下さい。