タイヤ、タンクなど、気体の詰まった袋状の物体を模擬する /MONVOL/GAS の説明
六面体の箱をつぶす解析モデルを用いて、/MONVOL/GAS がどのように働くのかを説明します。
中の空気を考慮してない場合
効果を分かりやすくするために、/MONVOL/GAS を使わずに、中の空気を考慮してない場合を、最初に示します。
モデルデータダウンロード: 01_空気なし.7z
空気を考慮する場合、その1
/MONVOL/GAS のリファレンス: https://2021.help.altair.com/2021.1/hwsolvers/rad/topics/solvers/rad/monvol_gas_starter_r.htm
このうち、最低限設定が必要なのは、以下の項目です.
surf_IDex: 閉空間を作るサーフェス /SURF。シェル要素のみで、法線は外向きが必須です。
γ 比熱比、ρi 密度, Pext 外気圧, Pini 内圧、Trelax は Pext から Pini まで加圧する時間です。
実際にはこんな数値を入れて、空気を Pext 0.1MPa から Pini 0.2MPa まで Trelax 0.01s 掛けて加圧する設定です。
空気の体積、圧力も確認したいので /TH/MONVOL も付けておきます。
では結果を確認しましょう。
空気の影響で、つぶれる前に跳ね返したのが分かります。
体積と圧力も見てみましょう。実は指定した 0.2MPa に到達していません。これは、最初の体積で、加圧分の空気の量を決めて送り込むからです。加圧すると箱が膨らむため、その分、圧力が下がっています。
モデルダウンロード: 空気考慮1.7z
しっかり Pini まで加圧するには
Iequi=1 オプションを使います。先ほどは、決まった量の空気を送り込んでいたのに対し、今回は圧力が不足していれば、無制限に空気を送り込むことができます。
どうなるか見てみましょう。まずは、体積、圧力グラフから。しっかりと圧力が上がり切りました。
アニメーションでは空気を余計に詰めた分、早めに跳ね返ってるのがわかります。
モデルのダウンロード: Iequi_1.7z
要素の削除による空気の漏れを考慮するには
材料設定で塑性ひずみ 0.11 で破断(シェル要素を削除)の設定をしています。この材料についての URL はこちらです。
/MONVOL/GAS 側でベント穴の設定をします。
実際の設定はこうしてあります。
結果を見てみましょう。序盤こそ耐えますが、後半は空気が漏れて抵抗力を失います。
圧力の低下も見て取れます。
モデルのダウンロード: ベントあり.7z
非圧縮な物体も入れる
次のように Vinc に非圧縮な物体分の体積を指定することができます。水など空気に比べればほぼ非圧縮と言えるような液体は、ここで模擬できます。今回の 9e5 mm^3 というのは、全体の体積の90%に相当します。閉空間の体積から、Vinc を引いた分の体積に対して、状態方程式が掛かります。
では、結果です。水あり( Vinc=9e5mm^3) の方が、早く跳ね返していることが分かります。
短い時間で圧力が上がり、跳ね返して下がっているのが分かります。
本モデルのダウンロード: Vinc.7z
本記事は以上です。
アルテアジャパン公式製品ページ
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