Radioss のズーミング解析のやり方

altair_fukuoka
altair_fukuoka
Altair Employee

始めに

ズーミング解析(他にもグローバル・ローカルモデリングとか、カットモデルとか、切り出し法とか、サブモデリングなど、いろいろな呼ばれ方があると思います)、つまり、いったん大雑把な全体モデルでシミュレーションを行っておいて、その結果を一部を切り出した詳細なメッシュモデルの境界条件として与える解析、のやり方を説明します。

実はヘルプに例題があるので、すでにこの例題を見てわかってる方には、本記事は不要です。

https://2022.help.altair.com/2022/hwsolvers/ja_jp/rad/topics/solvers/rad/cut_methodology_example_r.htm

 

 

お題を使った解説

お題は次の粗いモデルで解析しておいて、角の丸い部分だけを取り出してメッシュを細かくしたモデルを再解析します。

image

 

全体モデルに対して行っておくこと

/SECT カードを使って、このように境界部分の要素と節点を使った断面設定を行います。断面の様には見えませんが、ズーミング解析では問題ありません。必ず、境界部分の要素と節点をすべて使って、一つの /SECT カードに仕上げてください。

https://2022.help.altair.com/2022/hwsolvers/ja_jp/rad/topics/solvers/rad/sect_starter_r.htm

image

 

カードの中身です。とりあえず無事に動かせることが目的の説明をします。詳細が必要ならマニュアルを参照してください。節点、要素の指定は図を見てください。

image

 

ISAVE=1, Iframe=2 は決め打ちでいいです。deltaT は grnd_ID に指定した節点の変位を書き出す時間間隔です。時間間隔が短いほど高精度ですが、書き出したファイルサイズも大きいです。この辺はやってみてバランスを見ていただくしかないです。今回のお題では 1万回書き出すように設定しています。

実際の解析結果はこのようになります。

フルモデルのアニメーション

 

また、実行した結果、普段の解析では出力されない、ファイル名が、xxxxSC01 (xxxx はモデル名)となっているファイルがあります。ここに grnd_ID の変位が記録されています。

 

ズーミングモデルの作り方

全体モデルの /SECT に使った節点、要素を保持して、他を消して、好きなメッシュを追加したり入れ替えたりすればよいです。今回のモデルでは結合条件 /INTER/TYPE2 でメッシュの不連続部分を繋いでます。実際のところ、/SECT の節点に強制変位が与えられるだけなので、何しても良いです(タイトルがズーミング解析なので、細かいメッシュに入れ替えています)。

 

image

 

/SECT を次のように書き換えます。ISAVE=100 は決め打ちです。file_name はモデル名です。全体解析で xxxxSC01 ファイルができていると言いましたが、その xxxx の部分です。ほかの部分は触りません。

image

 

あとは、全体解析で作った xxxxSC01 を _0000.rad, _0001.rad と同じフォルダにコピーします。

実行するとこうなります。

ズーミング解析アニメーション

 

重ねると同じ動きをしていることがわかります。

重ね書きアニメーション

 

お題のダウンロード

全体モデル: 0_full.7z

ズーミングモデル: 2_sub.7z

 

アルテア公式製品リンク

https://www.altairjp.co.jp/radioss/

 

お問い合わせ先

https://www.altairjp.co.jp/contact-us/