Flux+Radioss LAW80ギヤソリッド要素サンプルモデル

fujita
fujita
Altair Employee

1. 目的

Fluxで16歯ギヤの1/32形状について誘導加熱による温度履歴を出力し、Radiossで加熱、冷却時のオーステナイト、フェライト、パーライト、ベイナイトの、マルテンサイトの分率と分布を確認する。

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2. Fluxによる温度履歴取得

  • 16歯ギヤから1歯分を切り出した形状を対象として解析
  • 軸方向にも2分割して1/32モデルとする

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2.1 解析モデル外観

  • Inductorによる誘導電流でギヤを熱し、温度履歴を取得

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2.2 ジオメトリとメッシュ作成 (buildGeomesh.py) 

  • 点の座標値からライン、フェース、ボリュームを作成し、メッシュを作成
  • Z方向に10mm押出し
  • 周囲に空気のメッシュ作成
  • 円筒座標系で-90度、-67.5度、Z=0を対象面とする

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2.3 周波数の設定

  • 200kHzに設定

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2.3 材料の設定

  • 透磁率、抵抗の設定

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  • 熱伝導率、熱容量の設定

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2.4 熱交換面

  • ギヤと空気との境界面における熱交換を設定
  • 対流をステップ関数で定義して2.0秒からの冷却を表現

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2.5 加熱コイル 

  • 電流実効値2000A、半径31mm、高さ30mm、幅1mmとして設定

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2.6 センサの設定

  • Radiossモデルの節点位置にセンサを配置し、温度時刻歴を取得

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2.7 解析時間 (solving.py) 

  • 10秒を0.1秒きざみで計算

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2.8 Flux解析結果

  • 誘導加熱による温度分布とセンサ位置(Radiossモデル節点位置)の時刻歴

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3. Radiossによる相変態確認 

3.1 Radioss解析モデル

  • Hexa要素
  • 側面と底面を対象拘束
  • 全節点にFluxからの温度荷重設定(片方向連成)
  • 鉄相当の材料としてLAW80を適用し相変態を確認

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3.2 Radioss解析結果

  • 各相の分率と分布を確認できる。

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  • 冷却時(2sec付近)、表層部(E719)と中間部(E675) でオーステナイトとマルテンサイトの入れ替わりがみられる。

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まとめ

  • Fluxで16歯ギヤの1/32形状について誘導加熱による温度履歴を出力した。
  • Radiossで加熱、冷却時のオーステナイト、フェライト、パーライト、ベイナイトの、マルテンサイトの分率と分布を確認した。
  • LAW80をソリッド要素に適用し、冷却時にオーステナイト→マルテンサイトの相変態を確認できた。

参考情報