PSIM SimCoderプロジェクトをCCSにインポートする方法
本投稿はPSIMのビデオチュートリアル
How to Import a SimCoder Project from PSIM to CCS
を日本語化したものです。
概要
本チュートリアルでは、3相のサイン波信号をマイクロコントローラ上で生成させます。
PSIMの自動コード生成機能を用いて、3相のサイン波を生成するコードを生成し、そのコードをマイクロコントローラ上で動作させる方法を紹介します。
事前準備
マイクロコントローラ TMS320F28069M を購入しました。
また、PSIMで生成したコードを上記コントローラに書き込むためのソフトCode Composer Studioが必要です。
CCSTUDIO IDE (統合開発環境)、コンパイラ、またはデバッガ | TI.com
C2000 リアルタイム・マイコンをサポートしている CCSTUDIO — Code Composer Studio 統合開発環境(IDE)をダウンロード、インストールしてください。
併記されている CCSTUDIO-THEIA — Code Composer Studio™ integrated development environment (IDE) Theiaではございませんのでご注意ください。
この記事では、バージョン12.5.0.00007を使用します。
PSIMモデルの確認
PSIMにはコード生成に対応した各種サンプルモデルがプリインストールされています。
今回は下記フォルダのサンプルを使用します。
C:\Altair\Altair_PSIM_2023.0\examples\Code Generation\F2806x Target\3-ph sine wave with SCI
- 3-ph sine wave with SCI monitoring.psimsch
- para-3ph-sine.txt
を作業フォルダにコピーしてご利用ください。
PSIMで3-ph sine wave with SCI monitoring.psimschを開きます。
SCIブロックが設定されており、USBケーブルを介して、F28069Mマイクロコントローラの入出力を確認できます。
PSIMのシミュレーションを実行すると、SimViewにて電圧プローブのほか、SCI出力のグラフを確認できます。
下記は位相角、サイン波およびサイン波から生成されたPWM信号をプロットしています。
PSIMのコード生成
Simulation ControlにてCPUバージョンをご購入のマイクロコントローラに合わせてください。
また、InstaSPIN対応のマイクロコントローラの場合は、チェックを付けます。InstaSPIN機能の使用有無にかかわらず、対応マイクロコントローラの場合はチェックを付けてください。
シミュレートのコード生成をクリックすると、コードが生成されます。
合わせて、(C code)フォルダが生成され、プロジェクトファイルを含む関連ファイルが生成されます。
CCSTUDIOによるマイクロコントローラへのコードの書き込み
事前準備でインストールしたCCSTUDIOを用いて、マイクロコントローラにコードを書き込みます。
プロジェクトのインポート
CCSTUDIOを起動したら、Project -> Import Legacy CCSv3.3 Projectsより、PSIMで生成されたプロジェクトを読み込みます。
(C code)フォルダの.pjtファイルを選択し、Next、Finishでインポートします。メッセージが表示されますが、問題ございません。
Project Explorerにプロジェクトが登録され、.cを開くとコードが表示されます。
Target Configurationの設定
Target Configurationを追加します。任意の名前を付けて、Finishをクリックします。
使用するマイクロコントローラが変わる場合は、都度作成が必要です。
ConnectionでTexus Instruments XDS100v2 USB Debug Probeを選択します。
Board or DeviceでTMS320F28069を選択します。候補がたくさん表示されますので、フィルター機能ご利用ください。
上記選択が完了したらSaveをクリックします。
マイクロコントローラを付属のUSBケーブルを用いてPCと接続します。
Test Connectionをクリックし、...succeededと表示されればOKです。
コードの書き込み
Projectの右クリックよりPropertiesを開きます。
GeneralのProductsにてXDAISをRemoveします。
詳細はビデオチュートリアル XDAIS Error CCS – Code Generation Import をご参照ください。
Debugをクリックします。Build Finishedと表示されれば成功です。先のXDAISをRemoveしておかないとエラーが出ます。
Resumeをクリックすると、コードがマイクロコントローラ上で実行されます。
停止させる場合はTerminateをクリックします。
オシロスコープをお持ちの方は、マイクロコントローラ上で生成されるサイン波信号を確認いただけます。
DSPオシロスコープによる信号の確認
PSIMのDSPオシロスコープユーティリティを用いて、マイクロコントローラ上で生成される信号を確認したり、マイクロコントローラへ信号を送信することができます。これは、SCIブロックで定義されているものに限定されます。
DSPオシロスコープを起動した後、接続をクリックすると、マイクロコントローラへ接続されます。
接続できない場合は、シリアルポートの番号を変えてみてください。
接続が成功すると、表示変数と入力変数が認識されます。これはPSIMモデルで設定されているSCIブロックに対応します。
Angleを選択すると、位相角の履歴が表示されます。
u,v,wを選択すると、3相のサイン波形が表示されます。
AngleStepの値を大きくすると、サイン波の周波数が高くなることがわかります。
このように、AngleStepの信号により、マイクロコントローラ上で様々な周波数の3相サイン波を生成できることがわかります。
使用製品:Altair PSIM