パワーショベルの土砂掘削シミュレーションにて消費エネルギを算出する方法
Altair InspireのパラメトリックモデリングとAltair HyperStudyのDOEおよびMotionSolveとEDEMの連成シミュレーションにより、パワーショベルのバケット形状を様々に変えた場合の掘削性能を評価できます。本記事では掘削性能の1つとして、掘削動作における油圧シリンダの消費エネルギを算出する方法を紹介します。
本記事で使用したモデルは下記よりダウンロードいただけます。
モデル
ベースモデルとして下記のものを使用します。
MotionSolve and EDEM Co-simulation of an Excavator
MotionSolveのパワーショベルモデルとEDEMの土砂モデルの連成シミュレーションを行っております。
ブームとアームには弾性体モデルを使用しており、掘削動作時の応力・ひずみも評価可能です。
各アクチュエータは油圧システムで動作します。Altair Twin Activateで作成された油圧モデルをFMUとして組み込んでします。
仕事量、消費エネルギの算出
Twin Activateの油圧モデルに対し、velocityの入力を追加しています。
また、算出された油圧力ForceとVelocityの乗算により仕事量Powerを算出します。
また、Powerの時間積分値により消費エネルギEnergyを算出します。
これをFMUとしてエクスポートします。
MotionViewに登録された油圧システムのFMUに対し、Velocityを3つ目の入力として追加します。
FMUからの出力を用いて、OutputにてPowertとEnergyを追加します。
最後にTotal Energyとして、4本の油圧アクチュエータの仕事量、消費エネルギを合計したOutputを追加します。
MotionViewとEDEMの連成設定
EDEMのGUIにてCoupling ServerをONにした後、MotionViewにてAssemblyメニューのEDEMツールをクリックします。
Bodyとし、連成させたい剛体ボディ、弾性体ボディをすべて選択し、Transfer and Create Systmをクリックすると、グラフィックが自動でEDEMに転送され、連成設定が完了します。
連成シミュレーションの実行
EDEMのGUIにてCoupling ServerをONにした状態で、MotionSolveの解析を実行すると連成シミュレーションが開始します。
連成シミュレーションではRun Offlineが推奨です。
解析終了後、各アクチュエータおよび合計の消費エネルギをプロットできます。
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