積層厚肉シェル要素で、積層材の破壊指数を出力する方法

altair_fukuoka
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Altair Employee

はじめに

本記事では、積層厚肉シェル要素 (要素は CHEXA, CPENTA の六面体もしくは三角柱要素、プロパティは PCOMPLS) を使う場合に、破壊指数の出力 (IO 要求カードの CFAILURE) を行う方法を示します。

本記事は、PCOMPLS と MAT9OR を使った積層厚肉シェルモデルの作成ができることが前提で、その後の部分のみお話します。

 

注)破壊指数と言っても、本当に破壊の計算をするわけではなく、線形静解析の結果に対して、基準値のどれくらいの値になっているかを示すための物なので、破壊指数という名称とは関係なく設計指標など自由に利用できます。

 

BULK セクション (モデル作り) で必要なこと

厚肉シェル要素で使う MAT9OR には破壊基準値を入力できません。

https://help.altair.com/hwsolvers/os/topics/solvers/os/mat9ort_bulk_r.htm

 

そこで MAT9OR に MATF を組み合わせて使います。

https://help.altair.com/hwsolvers/os/topics/solvers/os/matf_bulk_r.htm

 

最低限必要な項目は以下の通りです。材料 ID MID を MAT9OR と同じにしますが、HyperMesh で作業する場合、次のように MAT9OR に MATF を追加するような形になるので、自動的に同じになります。

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CRITERIA は基準値の評価方法です。単純な応力、ひずみの他に Hashin などの複合材でよく使われる手法も選択できます。

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V1 ~ V9 は、ソリッドですので応力またはひずみの 9成分の評価基準を入力します。選択する評価方法 CRITERIA 次第では、さらに多くのパラメータが必要になります。

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I/Oセクション (出力要求)

CFAILURE は破壊指数そのものです。全く応力、ひずみのない状態で 0、基準到達で 1.0 です。CSTRESS, CSTRAIN は積層材向けの応力とひずみの出力要求です。破壊指数が応力系なら CSTRESS, ひずみ系なら CSTRAIN を要求しておくと便利だと思います。

CFAILURE(H3D)=ALL CSTRESS(H3D)=ALL CSTRAIN(H3D)=ALL

 

例題モデル

UD 材をイメージした、3方向の引張試験モデルを作りました。

 

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材料はこのような特性です。単純な応力成分ごとの基準としました。

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破壊基準値はこのようになりました。

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0度と 90度は手計算でも行けます。0 度は 方向 1に 100MPa の引張応力なので、呼応する基準値は V0=1000MPa。100/1000=0.1 です。90度は方向 2に 100MPa ですので、V3=50MPa を適用すると、100/50=2 です。

45度の試験では σ12 に 50MPa が出ています。したがって V7=100MPa を適用すると 0.5 となります。

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この例題のダウンロードはこちらです。

model1.fem

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