フリクションダンパーのモデル化
Overview
Altair MotionSolveを用いて、フリクションダンパーをモデル化しました。
下記動画のようなヒステリシスを持ったFS特性が表現できます。
システムで作成していますので、簡単にみなさまのモデルに組み込んでご利用いただけます。
Pre-Requisite
本記事で紹介したモデルはこちらよりダウンロードいただけます。
Usage/Installation Instructions
モデル
Body0とGround Body間にFriction Damperのシステムを作成して、そのシステム内でコイルスプリングと摩擦を有効化したCylindricalジョイントを並列で接続したモデルです。コイルスプリングによりFS線図の傾きを摩擦によりFS線図の往復時の幅を表現しています。
解析条件はBody0にTranslationalジョイントを定義してMotionで振幅50mm、1Hzのサイン波で加振しています。
Friction Damperシステム
Attachmentを使用していますので、両端の接続先のBodyとPointをそれぞれ指定するだけで使用できます。
FS線図の傾きを変更したい場合は、SpringDamper 0の剛性値を変更します(サンプル 10N/mm)。
FS線図のヒステリシスの幅を変更したい場合は、cylジョイントの摩擦のForce Preloadを変更します(サンプル200 N)。
他のモデルへの組み込み方法
システムで作成されていますので、Import / ExportのExportで別ファイルに書き出すことができます。書き出したファイルも添付モデルに含まれます(sys_)。
任意のモデルにて、Import / ExportのImportを選択いただくと、Friction Damperのシステムを追加できます。追加したい親のシステムの画面下パネルをご利用ください。読み込んだ後はAttachmentで任意のBodyに接続します。
摩擦設定の解説
ジョイント摩擦の詳細はヘルプご参照ください。
Force: Joint Friction (altair.com) (English latest)
Force: Joint Friction (altair.com) (Japanese ver.2022)
ジョイントの摩擦力はジョイントに作用する荷重×摩擦係数で発生しますので、今回のようにジョイントに作用する荷重によらず、一定の摩擦力を発生させてい場合は工夫が必要です。
ジョイント摩擦にはInput Forceでジョイントに作用する荷重のうち摩擦に関与するものを選択できます。今回はPreloadのみ使用すれば、Preloadは一定ですので、常に一定の摩擦力を作用することが可能です。
Preloadの値をForce Preloadで設定するのですが、ここで設定する値は摩擦力になります。このPreloadによって発生する最大摩擦力の値を入れます。今回200Nと設定しましたので、200Nの摩擦力が発生します。
この場合、摩擦係数はどう扱われるのでしょうか?このケースでは、静摩擦係数と動摩擦係数の比率が重要になります。今回のように静摩擦係数=動摩擦係数としておけば、常に200Nの摩擦力が発生します。摩擦係数の値自体は何でもOKです。
静摩擦係数と動摩擦係数の値が異なる場合は、動摩擦力がスケーリングにより求まります。たとえば、動摩擦係数が静摩擦係数の1/2とします。その場合、静摩擦力が200Nで動摩擦力が1/2の100Nとなるように計算されます。
最後に今回のケースでは、滑っている状態のみを着目し、Effectはsliding onlyとしています。
Post-Requisite
使用製品:Altair MotionSolve/MotionView
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Comments
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非常にわかりやすいです。ありがとうございます。
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