構造減衰gはなぜ臨界減衰比ζの2倍なの?
振動解析を行っていると、減衰として構造減衰gと臨界減衰比ζがあり、2倍、1/2の関係です。というのが良く出てきます。
実際、OptiStructのヘルプにもPARAM,GやTABDMP1で構造減衰Gや臨界減衰CRIT=(C/C0)が出てきて、
C/C0=G/2
とだけ書いています。毎日やっている方は定着しているかもしれませんが、たまにやると、どっちが2倍でどっちが1/2だっけと、毎回調べる羽目になることはありませんか?
いろいろ調べてみたのですが、特にそれだと思うものは見つかりませんでしたので、自分で式整理して考えてみました。
結論からいいますと、構造減衰gは剛性に対する比率、臨界減衰比ζは振動数に対する比率を表しています。
剛性と振動数の関係は、2乗と√の関係にあるので、2倍、1/2の正体は実は2乗と√でした。
式(12)のテイラー展開により、√から1/2という係数が出てきています。
ということで、今後は、2倍、1/2で迷ったら、構造減衰gは剛性に対する比率で、剛性は振動数の2乗なので、2倍とすばやく判断できるのではないでしょうか?
ちなみに、OptiStructの複素固有値計算では減衰比としてGが、MotionSolveの複素固有値計算では減衰比としてζが出力されます。
比較する場合は注意しましょう。
構造解析・構造最適化Altair OptiStruct : https://altairhyperworks.jp/product/optistruct
マルチボディソルバAltair MotionSolve : https://www.altairhyperworks.jp/product/motionsolve
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