予張力・予荷重を考慮した固有値解析


OptiStruct は予荷重または予張力を考慮した固有値の解析ができます。弦楽器の弦を張れば張るほど高い音が出るあれです。

 

次のモデルを使って説明します。

モデルの説明

 

やり方は簡単で、固有値解析サブケースにて STATSUB(PRELOAD)=予荷重として使いたい線形静解析サブケース ID を打ち込むだけです。

$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
$ 線形制解析サブケース
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
SUBCASE        1
  LABEL static
ANALYSIS STATICS
  SPC =        1
  LOAD =        2
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
$ 固有値解析サブケース
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
SUBCASE        2
  LABEL eigrl
ANALYSIS MODES
  SPC =        1
  METHOD(STRUCTURE) =        1
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
  STATSUB(PRELOAD) =       1
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

 

実際に計算すると固有値は 2 となります。Eigenvalue を見てください。

                                                  Generalized   Generalized
 Subcase  Mode    Frequency      Eigenvalue        Stiffness        Mass   
       2      1   2.250791E-01   2.000000E+00     2.000000E+00   1.000000E+00

 

こちらが正しいか確認してみましょう。こちらの資料がよくまとまっていてありがたいです。P1 に K_L (もともとの剛性) と K_G (予荷重による剛性) の行列式があります。

http://civilyarou.web.fc2.com/WANtaroHP_html5_win/f90_FEM/f90_FDA/TeX_FDA_frame.pdf

 

今回のモデルは X 自由度以外を拘束しているので、行列式の一番左上だけ見れば OK です。すべての変数を 1 にしてあるので K_L=1, K_G=1 です。全体剛性はK= K_L + K_G = 2 です。したがって、固有値は K/M=2 となります。

剛性行列式

 

ということで正しく計算できたことがわかりました。

 

今回は固有値解析としましたが、周波数応答解析と過渡応答解析も同様に利用可能です。お試しください。

 

この入力モデルのダウンロード: model01.fem