アルテアがお薦めするフィラメントワインディング成型製品設計・評価ワークフロー


概要

本記事では、

について紹介します。

なお、既存ユーザーの皆さまには、参考データ付きの記事を限定公開していますので、そちらをご覧ください。

https://community.altair.com/community?id=kb_article_view&sysparm_article=KB0119859

 

フィラメントワインディング成型製品の設計

アルテアが提案する設計ツールは TaniqWind Design です。

https://www.altairjp.co.jp/taniqwind-design/

 

巻き付けパターンをどのように決めるかと言うのが肝となるかと思いますが、TaniqWind Design は目標カバー率に向かって自動的にパターンを決めることができます。

らせん状パターン自動設計

 

巻きプロセスの組み合わせ (糸を切らずに巻き付け方を変えていくプロセス) もできます。例えば次のようにらせん巻きから平行巻きにつなげていくことができます。

プロセス組み合わせ

 

もちろん複数のプロセスの組み合わせ (糸を切ってパターンを変える) も設計できます。

複数プロセス重ね合わせ

 

そしてこのようにして設計したものを構造解析ソルバー OptiStruct モデルとして出力することができます。

 

線形解析による簡易的な検討、当たり付け

アルテアが提案するツールは構造解析ソルバーの OptiStruct です。

https://www.altairjp.co.jp/optistruct/

 

線形解析はすぐに答えが出るので、簡易的な検討や当たり付けに持ってこいだと思います。応力や危険指標値を見て、応力対策や、耐圧をどの程度に設定するかなどの検討に向いていると思います。

線形解析の評価

 

ただし、線形解析は材料も線形 (繊維が切れたりマトリクス樹脂が塑性したりしない) ですし、形状の変化による剛性の変更 (膨らむほど膨らみにくくなるなど) を考慮しないので、そこは詳細検討も必要かと思います。

 

非線形解析による詳細な評価

非線形とは形状の変化による剛性の変更も含みますが、材料の非線形性も含みます。この材料の非線形性に対してアルテアが提案するツールは MultiScale Designer です。

https://www.altairjp.co.jp/multiscale-designer/

 

MultiScale Designer はそもそも複合材料の最小構成から、材料特性を算出するツールです。複合材料を構成する炭素繊維やマトリクス樹脂の材料特性データベースもあります。ですので、そもそも CFRP の材料特性が良くわかっていなくても、複合材料の材料特性を算出することができます。

MultiScaleDesignerによる材料開発

 

そして、その材料を OptiStruct に持っていくことができるのですが、何より特徴的なのが、繊維のダメージ (線形範囲を超えてしまったか、つまり千切れそうかどうか) と母材樹脂の塑性ひずみを個別に算出できることです。これにより、非線形解析による詳細検討で、耐圧性が足りない場合でも、樹脂が降伏してしまったのか、繊維がちぎれてしまうのかを判定できるので、樹脂の種類や、繊維のグレード選択に役立てることができます。

 

複合材料を一つの材料と見立てたときの平均的な応力値(左)も評価できますが、マトリクスや繊維そのものの破壊指標の評価 (中央、右) もできます。この結果だと、母材はダメージが入るけど、繊維にはダメージなしということになります。母材と繊維、どちらに問題が出るのか簡単に判明するため、例えば母材のグレードを上げたり種類を変えたりと言う対策を考えることができます。

非線形評価

 

まとめ