剛体要素 RBE2 で複数荷重を掛けたくても、重複ができなかったり、広い範囲に作ると固くなりすぎる問題は、RBE3 を使うことで解決できます。


RBE2 で起きる要素重複の問題

例えば2か所に力を与えたいなと思って、次のようなモデルを作ると、

RBE2重複


こんなエラーが出ます。

 *** ERROR # 2933 ***
 There are more number of degree of freedoms with double dependency
 than the number of independent degree of freedom near grid ID
 55. PARAM,AUTOMSET is ineffective in this situation.


なぜかというと、RBE2 の周りの節点 (セカンダリ節点) は中心の節点 (プライマリ節点) の動きに完全に従うからです。セカンダリ節点に重複があり、プライマリ節点がそれぞれ違う動きを指示したとき、矛盾が生じるので、このモデリングは許可されません。プライマリ節点を船頭、セカンダリ節点を船員に例えれば、まさに船頭多くして船山に登る、ということです。


これを見た目は全く同じな RBE3 に置き換えると、エラーは起きなくなります。

RBE3による重複モデル


RBE3 は周りの節点がプライマリ節点で真ん中の節点がセカンダリ節点です。あれあれ?先ほど、一つのセカンダリ節点を複数のプライマリ節点が指示を出すというのは、船頭多くして船山に登るからダメだと説明したばかりなのに、何か変です。

RBE3 の場合、プライマリ節点からセカンダリ節点への指示は、自分の動きに従うこと、という強い束縛ではなくて、自分たちの動きの平均値に移動すること、という弱い指示になっています。ですので、一つのセカンダリ節点に、複数のプライマリ節点があっても、問題がおきません。こちらは三人寄れば文殊の知恵、と言ったところでしょう。

先ほどのモデルを実際に計算すると、このように全く問題なく流れます。

RBE3が重複したままで計算


データのダウンロード


RBE2 で起きる固くなりすぎ問題

前節で出てきたプライマリ節点と、セカンダリ節点ですが、プライマリ節点は自由に動けるて、セカンダリ節点は自由に動けないと考えてください。


RBE2 は周りの節点がセカンダリ節点です。セカンダリ節点は自由に動けないので、RBE2 は全く形を変えることができません。形を変えられないことで、モデル全体の剛性を極端に上げてしまうことがあります。

RBE3 は周りの節点がプライマリ節点です。ですので RBE3 は自由に形を変えることができます。モデル全体の剛性に影響しません。


次のモデルを RBE2, RBE3 でそれぞれ計算すると、

大きすぎるRBE2モデル


結果はこうなります。どちらがどちらの結果か、これまでの話から当ててみてください。

RBE2_RBE3_どっちがどっち?


データのダウンロード


アルテア公式製品サイトはこちら

https://www.altairjp.co.jp/optistruct/