繊維配向テンソルを使う解析で、射出成型解析モデルと、OptiStruct モデルの向きが異なるとき、どうしたらよいのか説明します。


答え

始めに答えから言うと、PSOLID の CORDM で座標系を指定すればよいです。

マッピングする作業では、繊維配向テンソルは、射出成型解析モデルの全体座標系でマッピングされています。しかし、OptiStruct で使うときは、材料座標系に従います。ですので、材料座標系の向きを変えてあげれば良いのです。


検証

次のモデルで説明します。

検証モデル説明図


繊維配向テンソルは ( 0.9, 0.1, 0, 0, 0, 0) の X方向主体の配向であるという表現にしています。


材料は、このように繊維が主体の方向に引っ張ると 160MPa くらい行きますが、繊維が並んでない方向に引っ張ると 70MPa も出ない、という特性になっています。

材料SSカーブ


PSOLID の CORDM はデフォルトは空白で、空白は全体座標系を示すので、何もせずに先ほどのモデルを流すと、繊維方向主体のこのような結果になります。


では次に、Z 軸周りに 90度ぐるりと回した座標系を材料座標系に指定してみます。

新たに適用する材料座標系PSOLIDのCORDMに指定


これを、先ほどと同様、全体 X に引っ張ります。繊維が並んでない方に引っ張るので 70MPa も行かないくらいの結果になるはずです。

90度回した時の結果


期待通りの動作を確認できました。


参考ファイルのダウンロード

最初に行った、材料座標系=全体座標系のモデル

PSOLIDのCORDMで材料座標系を90度回転させたモデル



アルテアジャパン公式リンク

MultiScale Designer

OptiStruct