SimSolidの解析では、ジオメトリインポート設定、結合設定、ソリューション設定が非常に大事になってきます。
これらの設定をうまく設定することで、SimSolidを用いて従来の有限要素と同精度の解析が行えます。
今回は結合設定について詳細に解説していきたいと思います。
(画像はクリックすると拡大します。)
その他の設定はこちら
ジオメトリインポート設定→SimSolidのジオメトリインポート設定について
ソリューション設定→SimSolidのソリューション設定について
SimSolidで結合を付与する際、溶接を実際に適用する場所は、結合を定義する前にシーム溶接コネクターを作成します。
理由は3つあります。
シーム溶接コネクターの作成方法はこちらをご確認ください。→シーム溶接
SimSolidはジオメトリベースのGUIをもち、メッシュを作成しないため節点法による有限要素法と違い、節点や要素に接触を定義しません。
ただし、ジオメトリ上のフェイスに「点」として結合を定義します。
そして実際にこの「点」によって「固着」「滑り」「分離」「分離・接近」といった接触条件を表します。
また、結合を設定したことがあれば、「標準」「中」「高」と解像度を選択できることに気が付いたでしょうか。
この解像度により、ポイントの密度を指定できます。「標準」→「高」にするにあたり計算コストは上がることに注意します。
結合が点によって表されることで、以下のように注意すべき問題が発生します。
SimSolidは結合を確認するための3つの機能が備わっています。
プロジェクトツリーの結合をクリックすることでアクセスできます。
実際にポイント数を増やすことで応力集中がどのようになるか検証してみます。
以下のようなモデルを用意します。
今回はインポート時の自動結合設定において、解像度を変化させてみます。
以下のようになります。結合が不十分な箇所が1か所(対称を考慮して2か所)あります。
また、応力集中が予想される場所も拡大してみます。
ミーゼス応力を確認すると以下のようになります。
結合が不十分で途切れている場所は、結合されていないため、応力集中が発生しています。
また、結合不足による応力集中部を無視したものも載せます。
以下のようになります。
先ほどと同じ場所を拡大してみます。
ミーゼス応力を確認すると以下のようになります。最大応力の発生箇所が下部へと移動しました。
また、最大応力値も上昇したことが確認できます。
以下のようになります。
先ほどと同じ場所を拡大してみます。
ミーゼス応力を確認すると以下のようになります。最大応力の発生箇所が変化したことがわかります。
また、さらに最大応力値が上昇したことが確認できます。
それぞれの解像度における応力集中部のコンターを比較してみます。
結合の解像度を上げれば、結合部近傍の応力集中をよく表現できそうです。
しかし、前述したように解像度を上げれば計算コストは増えます。
結合数が増えた場合、計算コストがネックになることが容易に想像できます。どのように回避したらよいのでしょうか。
結合設定のおすすめの手順を紹介します。
詳細は以下の動画をご確認ください。
このように必要な箇所の解像度を上げることで、計算コストを抑えることができます。
実行時間は20秒と解像度を全て「中」にした時よりも早く、最大応力は解像度「高」と同程度のものになっています。
全て結合の解像度を「高」としたものと比較すると以下のようになります。
ほぼ同精度の解析が実行できているのがご確認いただけるかと思います。
その他の注意点を紹介します。