はじめに
タイトルには、内部エネルギ密度と書きましたが、特に難しいことではなく、応力ーひずみ線図の塗りつぶす面積のことです。
/FAIL/ENERGY のリファレンスより抜粋。
ゴムやスポンジなどの、超弾性、粘弾性材料には、材料自体に破断基準がないため、要素を削除するには、何か追加で必要になるわけですが、/FAIL/ENERGY はわかりやすい部類に入ると思います。
例題は、最初に、/FAIL/ENERGY を使わずに応力ーひずみ線図を取得して、そこから破断させるエネルギの値を求め、その次に、/FAIL/ENERGY を与えて破断させる、という流れです。
必須項目は E1, E2 のみです。例題でも、この 2個だけ使います。
エネルギ密度 E1 で、応力が下がり始め (*1)、E2 に至ったら、要素を削除します。
*1)読んで違和感を感じなかったなら、スルーしてください。
応力を本当に下げ始めてしまうと、ユーザー目線で見たときに E2 を決定することが非常に困難になってしまいます。なぜなら、E1 到達後の応力がどうなるのか予測できないからです。ですので、実際は、材料の計算中の応力はそのままで、応力から要素力を求めるときに、要素力を小さくして言っています。
次元は、エネルギ/体積です。単位は ton, mm, s なら mJ/mm^3、または MPa です。
例題
ダウンロード:
1ヘキサ要素を引っ張る例題です。材料はゴム向けの /MAT/LAW92 である、こちらの記事のモデルを基本にしており、200% 伸ばします。
最初は /FAIL をつけずに、応力-ひずみ線図を得る
しっかりした応力ーひずみ線図が欲しいので、/TH/BRIC で STRESS (全体座標系で出力) と STRAIN (全体座標系で出力) を T01 に出力させています。
HyperGraph で横軸をひずみxx, 縦軸を応力 xx にしたものです。応力もひずみも、公称値ではなく、真値で描かれています。伸び 200% —> 公称ひずみ 2.0 —> 真ひずみ = ln(1+公称ひずみ) ≒ 1.1 です。
公称値だと、タイミングがつかみにくいので、横軸を時刻、縦軸を、真ひずみxx にしてみました。ちょうど半分の時刻で削除することを狙うとすると、真ひずみxx は 0.7 くらいのようです。
では、最初の真応力ー真ひずみを積分します(塗りつぶした面積を計算します)。HyperGraph では、選んだグラフの積分は、右クリックで簡単にできます。
真ひずみ 0.7 だとエネルギ密度は 2.7MPa くらいのようです。
/FAIL/ENERGY をつけて破断させてみる
先ほど E1=2.7MPa と決めましたので、なんとなくで E2=3.0MPa としてみました。
_0001.out に狙ったタイミングで要素が削除されたことが出力されています。
H3D ファイルからも、消えています。