はじめに
ある条件を満たしたテトラメッシュは、HyperView で描画することができずに消えてしまいます。
このとき、モデルには非常によろしくないことが起きていますので、テトラメッシュが消えてしまったときは、まあ良いか、で済まさずに、しっかりと対策をしましょう。
例題
論より証拠で、まずは現象を確認してみましょう。モデルのダウンロードはこちらです。
こちらのモデルは HyperMesh で読み込むとちゃんと表示されます。
しかし HyperView で読み込むとどうやっても要素を表示することができません。
なぜなのでしょうか?
実はこのモデル、人の目で見ると、テトラ要素が一個あるだけですが、内側に向かって 4個のテトラメッシュが切ってある 5要素モデルです。
さて、このモデル、面白いことに、フェースを調べても見つかりません。
このモデルの要素面を一枚どれでも良いから心の中で選んでください。その面は必ず、2個とテトラ要素が隣り合っています。プリポストツールにとっての表面というのは、その面は、隣の要素が無い状態のことを言います。ですので、このモデルには表面がないのです。目に見えているところが表面ではないのです。なんだかメビウスの輪みたいですね。
私はプログラム内部のことを知りませんので、推測にはなるのですが、おそらくこういうことだと思います。
HyperMesh はプリツールですから精度が大事です。ですので、要素一つ一つを描画して、その結果として、私たちには表のようなものが見えています。
HyperView はポストツールとして速度が大事です。ですので、本来なら目に見えるはずの表面だけ描画します。そのため、表面が存在しなくなったメッシュは表示がされなくなってしまうのです。
なお、HyperView でも断面カットで内部を書かせようとすると、そのとたんにメッシュが現れます。
この現象が危険だという理由が分かっていただけたと思います。テトラが消えたら立ち止まってメッシュを再確認してください。
直し方
残念ながら、もう直せません。
メッシュが重複しているわけではないので、重複要素として削除することもできません。
表面がないので、表面だけ残してテトラメッシュを作り直すこともできません。
CAD や作業途中のデータからメッシュを作り直す必要があります。