OptiStruct: 非線形解析をリスタートするシンプルな例題

始めに

詳しくはこちらに書いてあります。

https://2024.help.altair.com/2024/hwsolvers/ja_jp/os/topics/solvers/os/requirements_for_starting_os_r.htm

非線形解析のリスタートといっても、こちらにも書かれているのですが、

  1. 停電などが原因で初期ランが中断された最後のポイントからリスタートする
  2. 正常な非線形解析の最後からリスタートし、続けて新しい非線形サブケースを付加する。
  3. 非線形解析のあるポイントからリスタートし、そのポイントでその非線形解析を中断して、続きに新しい非線形サブケースを付加する。
  4. 正常な非線形解析のあるポイントからリスタートし、新しい線形STATSUB(BUCKLING/PRELOAD/BRAKE)サブケースを付加する。

と 4パターンもあるのですが、一度に全て理解するのは難しいので、おそらくもっとも基本の使い方と思われる 2 番の演習を行います。

4 番は 2番と、やり方は同じです。リスタート用に、非線形解析のサブケースを用意するか、ブレーキ鳴きや座屈などのサブケースを用意するかの違いだけです。

例題

ダウンロードはこちら:

1kaime フォルダが 1回目、2kaime が 2回目です。2回目に必要な 1回目のモデルと状態ファイルも同梱してあります。

お題

シンプルな 1要素モデルです。

1回目に、このように引き延ばして、

2回目で、もとの位置に戻します。

一回目の設定

まず、リスタート関係なく流れるモデルを作ったら、RESTARTW でリスタートファイルの出力要求をします。

1000 のところは数字が大きいほど、書き出す頻度が下がります。今回は、サブケース完了時のリスタートファイルだけ欲しいため、適当に大きな数字を入れてあります。

RMDX は節点、要素、荷重条件などモデルごと出力する要求です。バイナリデータなので、実質、変更できません。ですので、ついうっかり 2回目のモデルを変化させてしまって、不整合が起きるということを防ぐことができます。

コピペするならこちらです。

RESTARTW= 1000,RMDX

シミュレーション側の結果は、先ほどアニメーションを示しているので割愛しますが、リスタート向けの結果としては、.rmdx ファイル (モデルファイル) と .rnl ファイル (応力、ひずみ、変位などの状態ファイル) が得られます。この 2個のファイルを 2回目に利用します。

ちなみに .rnl ファイル名の接尾文字は、サブケース1, インクリメント 20 を意味しています。

2回目のモデル

1回目のフォルダから .rmdx と .rnl をコピーしておきます(配布ファイルは既にコピーが入っています)

2回目の .fem ファイルは見てもらうと分かりますが、要素、節点、材料などモデル情報は一切ありません。それらは .rmdx ファイルに含まれています。

1回目のリスタートファイル .rmdx と .rnl を読み込むために RESTARTR を SUBCASE の手前に書きます。これで OptiStruct が、該当する .rmdx と .rnl を読み込みます。ですので、.rmdx と .rnl は OptiStruct が出力したときのファイル名から、変更しない方が、無難化と思います。

RESTARTR = model01_sub1_inc0020

2回目のモデルの主体はサブケースです。CNTNLSUB で引継ぎを行います。また、.rmdx にモデル情報は入っていると言いましたが、新しい ID で荷重や条件を追加するのであれば、元のモデルや結果と矛盾は起きないので、追加できます。

変位条件は、1回目のモデルが基準です。ですので、変位を 0 にすると、最初の位置に戻ります。

以上です。

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