カードで学ぶ 1D ボルトプリテンションモデリングの例題


始めに
1D と 3D のボルトのプリテンション (予張力) のチュートリアルはこちらにあります。
HyperMesh の操作としては良いのかもしれませんが、OptiStruct のカードのルール、構成を知る、という観点では、その知識は得られないかもしれません。
そこで、本記事では、OptiStruct のカードのルール、構成を示しながら、モデルをくみ上げるという例題をやってみたいと思います。知っておくと、テキスト直接編集や、HyperMesh でのカード直接修正を行うときに便利だと思います。
モデル
モデルはこのように 2枚のシェルと、梁要素を剛体でつないだものです。当然、梁要素をボルトに見立てます。ちなみに 1D のボルトに使える要素は、CBEAM, CBAR, CROD の梁要素系の要素です。CBUSH, CELAS などばね要素系の要素は使えません。
では、このボルトに予張力を与えていってみます。
Bulk セクション
PTFORCE: 予張力
入力項目は 3個とシンプルです。PSID はサブケースセクションでの PRETENSION 文で指定する ID です。HyperMesh なら、当該カードを入れておく Load collector の ID になります。
F は予張力の大きさです。
最後の SID は予張力を与える断面 PRETENS カードの ID です。
PRETENS: 予張力を付与する断面
名目上は断面ですが、1D ボルトの場合は断面ではなく、対象となる要素の ID となります。設定は、これだけです。
ここまでで、今回の例題では、このような定義となっています。
OptiStruct では SUBCASE から参照されない BULK セクションの荷重定義は、計算に使われませんので、ここからは SUBCASE セクションを設定していきます。
SUBCASE セクション
PRETENSION: 予張力荷重 ID の指定
プリテンションを考慮したサブケースで PRETENSION カードにより PTFORCE の SID を指定します。
今回の例題ではこのようになります。
ちなみに静解析では何らかの荷重条件が無いとエラーとなりますが、PRETENSION は荷重条件としてカウントしてくれないため、偽の荷重 (力 FORCE を拘束条件 SPC の上に載せているので、実際は何もできない)を指定しています。
STATSUB: 予張力計算サブケースの指定
プリテンションを与えた状態から、複数の荷重条件を計算したいときに、使います。
最初のプリテンションには PRETENSION, 2回目からは STATSUB と覚えるとよいでしょう。
実際のところ、今回は、拘束条件 SPC も荷重条件も同じのため、2個のサブケースの結果は全く同じになります。
変形倍率 100倍の結果です。
モデルのダウンロード
操作説明動画
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3D ボルト版はこちらです。
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