カードで学ぶ 1D ボルトプリテンションモデリングの例題

始めに

1D と 3D のボルトのプリテンション (予張力) のチュートリアルはこちらにあります。

https://2024.help.altair.com/2024/hwsolvers/ja_jp/os/topics/solvers/os/1d_3d_pretensioned_bolt_analysis_of_ic_engine_components_r-1.htm

HyperMesh の操作としては良いのかもしれませんが、OptiStruct のカードのルール、構成を知る、という観点では、その知識は得られないかもしれません。

そこで、本記事では、OptiStruct のカードのルール、構成を示しながら、モデルをくみ上げるという例題をやってみたいと思います。知っておくと、テキスト直接編集や、HyperMesh でのカード直接修正を行うときに便利だと思います。

モデル

モデルはこのように 2枚のシェルと、梁要素を剛体でつないだものです。当然、梁要素をボルトに見立てます。ちなみに 1D のボルトに使える要素は、CBEAM, CBAR, CROD の梁要素系の要素です。CBUSH, CELAS などばね要素系の要素は使えません。

では、このボルトに予張力を与えていってみます。

Bulk セクション

PTFORCE: 予張力

https://2024.help.altair.com/2024/hwsolvers/ja_jp/os/topics/solvers/os/ptforce_bulk_r.htm

入力項目は 3個とシンプルです。PSID はサブケースセクションでの PRETENSION 文で指定する ID です。HyperMesh なら、当該カードを入れておく Load collector の ID になります。

F は予張力の大きさです。

最後の SID は予張力を与える断面 PRETENS カードの ID です。

PRETENS: 予張力を付与する断面

https://2024.help.altair.com/2024/hwsolvers/ja_jp/os/topics/solvers/os/pretens_bulk_r.htm

名目上は断面ですが、1D ボルトの場合は断面ではなく、対象となる要素の ID となります。設定は、これだけです。

ここまでで、今回の例題では、このような定義となっています。

OptiStruct では SUBCASE から参照されない BULK セクションの荷重定義は、計算に使われませんので、ここからは SUBCASE セクションを設定していきます。

SUBCASE セクション

PRETENSION: 予張力荷重 ID の指定

プリテンションを考慮したサブケースで PRETENSION カードにより PTFORCE の SID を指定します。

今回の例題ではこのようになります。

ちなみに静解析では何らかの荷重条件が無いとエラーとなりますが、PRETENSION は荷重条件としてカウントしてくれないため、偽の荷重 (力 FORCE を拘束条件 SPC の上に載せているので、実際は何もできない)を指定しています。

STATSUB: 予張力計算サブケースの指定

プリテンションを与えた状態から、複数の荷重条件を計算したいときに、使います。

最初のプリテンションには PRETENSION, 2回目からは STATSUB と覚えるとよいでしょう。

実際のところ、今回は、拘束条件 SPC も荷重条件も同じのため、2個のサブケースの結果は全く同じになります。

変形倍率 100倍の結果です。

モデルのダウンロード

操作説明動画

動画ファイルのダウンロード

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