要素の計算(6)ラジアルリターンアルゴリズム
Altair_Ichikawa
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陽解法の有限要素法では、要素の計算の全計算時間に占める比率が高くなることから、その計算時間を抑える為の工夫がいろいろと取り入れられていますが、弾塑性計算におけるラジアルリターン(Radial Return)アルゴリズムもその一つと言えます。塑性理論によれば、降伏後の応力点はその降伏関数上に無ければいけませんが、それをきちんと計算しようとすれば収束計算が必要になります。これに対し、ラジアルリターンでは、まず、弾性として応力の増分を計算し、計算された応力が降伏条件を超えた場合には、降伏関数上への戻り量を近似的に計算して、それを差し引いて新たな応力値とするものです。収束計算を行いませんので計算時間はより少なくできますが、精度的には下がります。これが今でもデフォルトですが、より高精度な計算を行いたい、という要望から現在ではNewton-Raphson法による反復収束計算も選択できるようになっています。これはプロパティのIplas(2:ラジアルリターン、1:反復収束計算)で選択できます。
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