要素の計算(5)物理安定化アワグラスコントロール
Altair_Ichikawa
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アワグラスモードの制御の為に人為的な抵抗係数を導入するのでは無く、仮想のひずみ場を導入してこれを有限要素法のエネルギー式に取り入れることにより、アワグラスモードの発生を抑える、という手法が90年代に入って生まれてきました。物理安定化(Physical Stabilization)と呼ばれるこの手法では、古典的なアワグラスコントロール(摂動型アワグラスコントロールとも呼ばれます)と異なり、アワグラス制御のために人為的な係数の導入を必要としません。文献にあります様に、元々は等方性弾性の4節点シェル要素に対して導入されましたが(QPH要素と呼ばれます)、これを弾塑性に拡張したのがRadiossのQEPH要素(4節点シェル要素)とHEPH要素(8節点ソリッド要素)です。これらの要素はそれぞれプロパティでIshell=24 、Isolid=24を指定する事で選択できます。古典的な1点積分要素に比べ、15%程度のCPU時間の増加で効率的にアワグラスの問題を避ける事が出来ます。これらの要素は当初は等方性材料のみに適用可能でしたが、現在では異方性材料にも適用できるように拡張されています。
文献:Ted Belytschko and Itai Leviathan, Physical stabilization of 4-node shell element with one point quadrature, Comput. Methods Appl. Mech. Engrg. 113, 1994, 321-350.
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