Radioss を HyperStudy でパラメータスタディ、最適化を行う 3 つの方法
はじめに
HyperWorks 2021.2 の時点で、Radioss と HyperStudy を連携させる方法は、主に 3 個あります。本記事ではそれらをざっくりと説明します。細かい作業は、割愛しています。
HyperWorks 経由での連携
私が最も簡単だと思う方法です。事前に HyperWorks の .hm ファイルの中で、HyperStudy に変更させたい数値をパラメータ化して保存しておきます。
また形状を変更したいときはモーフィングの保存もしておきます。
HyperStudy では HyperMesh モデルを選択します。
.hm ファイルに設定しておいたパラメータと、保存したモーフィングを GUI から選択できます。
これだけで、HyperStudy は設計変数として扱えるようになります。
メリットとデメリットも挙げておきます。
メリット:
- 簡単
- モーフィングによる形状変更も扱える
デメリット:
- HyperWorks 上では全ての項目をパラメータ化できるわけではない
- 非常に複雑なことができるわけではない
Radioss 入力ファイル _0000.rad に記載されたパラメータを用いた連携
/PARAMETER というカードですが、先ほど HyperWorks でパラメータ化した作業を行えば自動で作成されます。
ただのテキストファイルのため、HyperWorks からパラメータ化できなかった部分もパラメータ化ができます。
HyperStudy では Radioss モデルを選択すれば
自動的に設計変数化されます。
メリットとデメリットも挙げておきます。
メリット:
- 比較的簡単
- HyperWorks でパラメータ化できないものもパラメータ化可能
デメリット:
- モーフィングによる形状変更は扱えない
- 非常に複雑なことができるわけではない
Templex 命令を Radioss 入力ファイル _0000.rad に直接書き込む方法
下の図のように {} で囲まれた Templex 命令(図では設計変数 UTS の値を 20桁用いて小数点以下 12桁の指数表記で書き出すという命令) を埋め込みます。
数値の設計変数化であれば専用のテキストエディタが付属しているため、GUI で簡単に行えます。
if 文による条件分岐などもあり、非常に複雑なことが可能です。
HyperStudy では parameterized File モデルを選択します。
埋め込まれた Templex 命令に従って、設計変数が抽出されます。
メリットとデメリットです。
メリット:
- あらゆる文字列、数値を自由に書き換え可能
- モーフィングによる形状変更にも対応可能
デメリット:
- Templex 命令の理解が必要
- どのように命令を組めば良いのか、発想力が求められる
メリット、デメリットを見極めて、用途に合ったものをご活用ください。