液体の影響を考慮した振動解析には MFLUID 仮想流体質量の使用が簡単です。
altair_fukuoka
Altair Employee
概要
OptiStruct には MFLUID という便利な仮想流体質量機能があります。仮想流体質量が何かというと、私も数式モデルをきちんと正確に理解しているわけではないので、ざっくり説明すると、
- 仮想的なポテンシャル流れ場を計算
- 圧力と加速度の行列から、仮想質量行列を生成 (F=Ma から M=F/a を求めるイメージ)
- 仮想質量を追加した状態で固有値計算
となります。
流れ場を計算するなんてなると、流体部分のモデリングまで大変だなあと、思うかもしれませんが、実際の作業は、液体に接するサーフェスに MFLUID カードをくっつけるだけですので、モデルとしては見た目、普通の構造モデルと何ら変わらないです。下図は丸い筒のモデルですが、普通のシェルモデルであり、流体メッシュは必要ありません。
検証情報
実際に、上図のモデルを使った検証モデル、検証データがオンラインヘルプにてユーザー様向けに公開されています。リンクをたどってもらうと、実験とかなり良く一致していることが分かります。検証モデルですが、MFLUID 設定の例としても利用できます。
制限
何にでも合うと言うわけではなく、制限もあります。こちらに詳しく記載があります。
粘性、渦のないポテンシャル流れですので、イメージ的には深い水を静かに揺らすようなイメージになるかと思います。スロッシングでバシャバシャするとか、液面が浅くてバシャバシャする、水を叩くような挙動に適用してしまうと、かなり実験とは結果が変わってくるかと思われます。
それから、液面はフリーである必要があります。閉じた空間に完全に水で満たしたような物体に使ってしまった場合も、かなり実験との差が出てくると思われます。
実験と見比べて、適用するしないを決めてみてください。
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