/INTER/TYPE25 で接着、粘着工程のシミュレーション
/INTER/TYPE25 は通常であれば、ぶつかったものを跳ね返す、一般的な接触ですが、ある設定をすると、接着とか粘着とかといった特性を示すようになります。
このように、物体を引き付ける方向に接触力が働きます。
しくみ
この機能を有効にするには、まず IVIS2=-1 の設定をします。
https://2022.help.altair.com/2022/hwsolvers/rad/topics/solvers/rad/inter_type25_starter_r.htm
そして、すべりに対する粘性を ViscFluid, ViscAdhFact、面直のばねの強さを SigMaxAdh で設定します。
このように作用します。
接着力はこの式です。Padh=0 という最もばねが伸びたときに、FN=SigMaxAdh * 要素面積、ですので、単純に接着剤、接着する能力の最大応力としておけば良いかと思います。
滑りの粘性力は、次の式です。ViscAdhFact は 1.0 にしておけばよいです。ViscFluid は時間ステップを大きく下げる要因になります。測定した確実な値があるというわけではないのであれば、時間ステップに影響が出なくなる大きさにしておくのが良いと思います。
サンプルモデル
この2枚の板モデルで例を示します。板は 1mm 離れていて、シェル要素プロパティはどちらも 1mm です。したがって、接触判定距離は 1mm で、現在つらつらの状態です。
/INTER/TYPE25 設定は次のようにしています。ViscFluid はこれ以上大きくすると、時間ステップを小さくしてしまうので、この値にしています。
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----| ##HMGROUP 101 20 SLVCMP /INTER/TYPE25/101 #Title type25_all # Istf Ithe Igap Irem_i2 Idel Iedge 100 4 2 # Grnod_id Gap_scale Gap_max_s Gap_max_m # Stmin Stmax Igap0 Ishape # Stfac Fric Tstart Tstop 0.1 0.3 # IBC IVIS2 Inacti ViscS Ithick 000 -1 5 # Ifric Ifiltr Xfreq sens_ID fric_ID # ViscFluid SigMaxAdh ViscAdhFact 1e-4 100 1 #---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
上側の部品を /IMPDISP 強制変位で押しつけて、戻すのですが、その動きは次のようにしています。どうなるでしょうか?
接触力をアニメーション表示するとこうなります。押し込めば反発側、引きはがそうとすれば吸着側に矢印が向いているのがわかります。
アニメーションに出てくる数値を時刻歴グラフでも表示してみます。
このモデルのダウンロード: inter_type25_接着サンプル.7z
注意
シェル要素限定。ソリッド要素は不可です。