SimSolidのベストプラクティス - 1ジオメトリインポート設定について
SimSolidの解析では、ジオメトリインポート設定、結合設定、ソリューション設定が非常に大事になってきます。
これらの設定をうまく設定することで、SimSolidを用いて従来の有限要素と同精度の解析が行えます。
今回はジオメトリインポート設定について詳細に解説していきたいと思います。
(画像はクリックすると拡大します。)
その他の設定はこちら
結合設定→SimSolidの結合設定について
ソリューション設定→SimSolidのソリューション設定について
ジオメトリインポートに関して
SimSolidは現状、ソリッドジオメトリのみの取り扱いとなっています。
そして、ジオメトリをファセットとして扱います。(stlのようなものですが、どちらかというと素性のよい三角形メッシュに近いです。)
このファセットのサイズは自動を制御することが、よい解析を行う上で重要になってきます。
画面左上の設定>ジオメトリインポートの設定>解像度から、このファセットの細かさを調整します。
また、R部など曲率の部の応力を評価する場合は中間から始めます。したがってデフォルトでは「中間」を選択しておきます。
解像度は以下の3つがプリセット値としてあります。
標準から細かいにするにつれて、曲率をうまく再現できているかがわかるかと思います。
ただし、解像度を上げると計算コストは上がります。どういったモデルに対し、特に解像度を上げればよいのでしょうか。
- 曲率のあるパート
- 穴 (以下の画像は極端な例になります。標準でもこのようになるのはまれです。)
- 薄板構造
薄板構造のものに関しては、荒いと自己交差が発生することがあります。→チェック方法
解析に失敗するようでしたら、解像度を変更し、同じファイル上で再度モデルをインポート、もしくは修正してください。
再度モデルをインポートする場合は新たな設計スタディとしてインポートすることができます。→設計スタディ
また、現在のモデルがどの解像度か確認する方法は、プロジェクトツリーのアセンブリを右クリック>情報より
インポート設定で行えます。
Standard→標準、Enhanced→中間、Fine→細かい になります。
CAD読み込み形式とエラーの対処法について
現在SimSolidでは様々なCADネイティブファイルと中間ファイルを取り扱うことができます。
各CADにおいて最適な読み込み形式は以下のようになっています。
NX → ネイティブファイル(.prt)
CATIA → 3dxml
Pro/Engineer → ネイティブファイル(.prt、.asm)
SolidWorks, OnShape, Fusion360 → CADのSimSolidアドインを使用
また、stlは曲率情報を持たないため、ラティス形状といった複雑形状以外では避けたほうが良いです。
デフォルトのリーダーはパラソリッドリーダーとなっています。
v2023以降の場合、CatiaファイルはParasolid+Spatialリーダーをしようします。
もしCADファイルの読み込みに失敗したら、
- パラソリッドリーダーを用いてParasolid形式(推奨)、もしくは他の中間ファイル形式を試す。
- レガシーリーダーを用いる
以前の読み込み形式を使用します。ジオメトリの修正機能があり、一部のサーフェイスがかけても自動で修正します。
ただし、修正がうまくいかないことがありますので、ご注意ください。
以下画像のように「パラソリッドリーダーを使用」をチェックオフすることで、レガシーリーダーを使用します。(v2022.3.1まで)
v2023以降はCAD readerから「Legacy」を選択します。 - InspireやHyperWorksで読み込み、モデルを修正>Prasolidで出力しパラソリッドリーダーで読み込む
材料の読み込みに関して
一部のCAD形式では材料情報を読み込むことが可能です。
SolidWorks, Onshape,Fusion360にはSimSolidアドインを利用することで、材料データを自動で引継ぎます。
また、他のCAD形式に関しては、材料名がSimSolidの材料データベースと同じであれば、自動で材料を割り当てます。
詳細はこちらをご確認ください。→CADからの材料引継ぎ機能