MotionView/MotionSolve 入門コース 弾性体ボディ

Kosuke_IKEDA
Kosuke_IKEDA
Altair Employee

このモジュールでは、弾性体ボディを作成し、モデルに実装する方法を学習します。 以下の項目が含まれます。

  • 弾性体ボディとは何か?
  • コンポーネントモード合成法とインターフェース節点による弾性体ボディの作成
  • 弾性体ボディでのモード重ね合わせの使用方法 
  • MotionViewのツールを使った弾性体ボディの操作

 

1. 弾性体ボディの紹介

この章では、MotionView/MotionSolveの弾性体ボディについて説明します。

該当ヘルプ日本語:マルチボディダイナミクス弾性体の使用 (altair.com) 

該当ヘルプ英語:Using Multibody Dynamics Flexbodies (altair.com) 

 

1-1. 弾性体ボディとは?

弾性体ボディ(Flexbody)とは、MBDソリューションの中で大きな変位や回転および弾性変形を受けることができるボディのことです。

  • 弾性体ボディは、質量と慣性を含む変形可能な構造の挙動を近似する有限要素モデルのモード表現です。
  • 弾性体ボディは、変形、応力、ひずみなどの構造解析に関連する詳細な結果を得るために使用することができます。
  • 弾性体ボディはモードの重ね合わせの概念に基づいており、マルチボディシミュレーションで使用するために計算効率が高くなっています。
  • 弾性体ボディは構造の線形弾性表現です。

image

 

1-2. 弾性体ボディはどのような場面で使用すべきか?

弾性体ボディは次のような用途に使用できます:

  • ボディの線形弾性変形を捉える
  • 荷重の予測精度の向上
  • ボディの応力・ひずみ分布を求める
  • 疲労解析に必要な荷重の生成

弾性体ボディは、モード法により自由度を低減しているため、過渡の有限要素シミュレーションを解くのに比べて、精度とシミュレーション時間のバランスに優れています。

弾性体ボディは弾性変形の範囲内で有効です。

image

 

1-3. コンポーネントモード合成法とインターフェース節点

弾性体ボディはインターフェース節点を通してMBD システムに接続します。

  • 接続すべてにインターフェース節点を使用する必要はありませんが、MBDモデルと弾性体ボディ間のフォースや拘束などの相互作用はインターフェース節点でなければなりません。
  • 変位、速度、加速度などの出力はインターフェース節点で指定する必要はありません。

コンポーネントモード合成法では、インターフェース節点で指定した自由度のConstraint modesとインターフェース節点を拘束した場合のnormal modesを重ね合わせることで表現されます。

インターフェース節点で指定した自由度のConstraint modesにより、インターフェース節点に入力される荷重による静的な弾性変形は正確に表現されます。normal modesを追加することで、動的な弾性変形も模擬できます。

 

1-4. モードの重ね合わせ - 採用周波数と解の精度

モード形状の数と最大周波数は重要です。モード数が多く、周波数が高いほど、変形や応力・ひずみなどの応答における曲率が大きくなります。波長は短くなります。

一般的に応力・ひずみは変形よりも曲率が高いため、応力・ひずみを精度良く評価したい場合は、より多くのモードが必要となります。

 

2. 弾性体ボディの作成と使用

この章では、MotionViewとMotionSolveでの弾性体ボディの作成と使用について学びます。FlexPrepツールを使用して弾性体ボディを生成し、解析で弾性体ボディを使用する方法を学びます。詳しくは以下のビデオをご覧ください。 また、ビデオの下にあるモデルファイルをダウンロードして、デモンストレーションをトレースできます。 


動画で使用したファイルのダウンロードはこちらです。

 

2-1. FlexPrepを用いた弾性体ボディの生成

解析リボン > FlexPrep ツールで弾性体ボディを生成できます。

FlexPrep ツールには、.fem/.dat/.nas 形式の要素と材料特性を持つ FEM モデルが必要です。

FlexPrepツールをクリックすると、以下のパネルが表示されます。

image

FlexPrepを用いた弾性体ボディの作成・使用の一般的な手順を示します。

  1. RBE2スパイダーの作成(必要な場合)
  2. インターフェース節点が独立であることを確認する
  3. FlexPrepユーティリティに戻り、OptiStructを実行します。
  4. 弾性体モデルの表示と結果の検証
  5. FlexPrepを使用して弾性体ボディをミラーリングする
  6. 剛体を弾性体に置き換えてMotionSolveで解く
  7. MotionSolveの弾性体ボディの結果を見る

 

2-2. 弾性体ボディの使用

弾性体ボディが作成できたら、MotionViewでマルチボディモデルに組み込みます。弾性体ボディはボディのエンティティエディタを使って編集します。 いくつかのオプションを見てみましょう:

  • Flexオプションを有効にすると、弾性体ボディに切り替わります。弾性体の.H3Dファイルとグラフィックファイルを読み込みます。
  • Rigidifyオプションは、ボディの弾性変形を無効にし、剛体として動作させます。
  • Nodes & Modesオプションは、ボディへのアタッチメントポイントや使用する弾性体モードへのアクセスを提供します。このオプションの詳細は後述すします。

 

2-3. 弾性体ボディの節点とモード

Nodes & Modesオプションを使用する際の詳細を見てみましょう。

節点の割り当て

  • Nodes タブには、弾性体ボディに設定されているすべての接続(マーカ)が表示されます。 
  • Find を使って、接続したいポイントに最も近い 弾性体ボディ上のインターフェース節点を特定することができます。
  • Point X,Y,Z は弾性体ボディに接続されるマーカのポイント座標が表示されます。
  • Node X,Y,Z は弾性体ボディのインターフェース節点の座標が表示されます。
  • これら二つの座標が異なる場合、Offsetがポイントと節点間の距離を示します。
  • Alignを使うと、ポイントは正確な節点位置に移動し、Offsetがゼロとなります。

 

インターフェース節点位置へのポイントの作成

弾性体ボディのインターフェース節点を使ってモデル内にポイントを作成することができます。弾性体ボディを右クリックして、Create Points At Interface Nodes を選択します。 これで、弾性体ボディのすべてのインターフェース節点位置にポイントが作成されます。

 

弾性体ボディのモード

Modesタブには弾性体ボディのすべての弾性変形モードが表示されます。モードは、シミュレーションの自由度を減らすためにActiveチェックボックスを使って非アクティブにすることができます。 モード減衰の設定も変更できます。

 

CRatio Expression Damping

CRatio Expression Dampingを使用すると、関数を使用して弾性体ボディのモード減衰比を適用することができます。

例:以下のように、時間ベースの関数と周波数ベースの関数からなる式を使用することができます。最初に時間=0.0s - 0.1sでCRatio=1の高い減衰が使用され、その後、0.1s - 0.5sにかけて、FXFREQ-関数を使用して、f < 100HzでCratio=5%、f > 500HzでCration=100%の周波数ベースの減衰に移行します。

 

MotionView/MotionSolve 入門コース トップページ

使用製品:Altair MotionSolve/MotionView

よくあるエンジニアからの質問はこちら