MotionView/MotionSolve 入門コース 出力の定義とポスト処理
このモジュールでは、出力の作成方法と編集方法、そして結果のプロット方法を学びます。 以下のトピックを取り上げます:
- MBDモデルへの出力の追加と編集
- MotionSolveシミュレーションのデフォルト出力とオプションの確認
- HyperViewとHyperGraphを使用したプロットとポスト処理
- MBD結果のレビューと可視化
- マーカの作成
- MotionSolveのシミュレーションタイプの概要
1. 出力
この章では、出力の追加と編集について学びます。 また、MotionSolveシミュレーションのデフォルト出力とオプションについても確認します。詳しくは以下のビデオをご覧ください。 また、ビデオの下にあるモデルファイルをダウンロードして、デモンストレーションをトレースできます。
動画で使用したファイルのダウンロードはこちらです。
該当ヘルプ日本語:Outputs (altair.com)
該当ヘルプ英語:Outputs (altair.com)
1-1. 出力の作成方法
MotionViewクライアントで出力を作成するには、以下の方法があります:
- Model BrowserでModelを右クリックし、Add > Reference Entity > Outputを選択します。
- Model BrowserでOutputsを右クリックし、Add Output...を選択します。
- 解析(Analyze)リボンから、出力ツール(Outputs tool)を選択します。
ガイドバーの最初のドロップダウンメニューを使用して、出力タイプを選択します。
次のドロップダウンメニューを使用して、出力サブタイプを選択します。
選択したタイプ、サブタイプに応じて、ボディやポイント、マーカを指定します。
Create and Editをクリックし、出力を作成します。
1-2. 出力のエンティティエディタ
出力のエンティティエディタでは、プロパティを確認および編集することができます。
出力タイプをExpressionに設定すると、Expression Builderを使用して、出力の6チャンネルすべてを利用した出力を定義することができます。
Define custom names and unitsで6つのチャンネルに対して、名前と単位を付けることができます。
2. 結果のプロット
この章では、HyperViewおよびHyperGraphクライアントを使ったプロットおよびポスト処理の方法を学びます。詳しくは以下のビデオをご覧ください。 また、ビデオの下にあるモデルファイルをダウンロードして、デモンストレーションをトレースできます。
動画で使用したファイルのダウンロードはこちらです。
該当ヘルプ日本語:結果の可視化 - アニメーションとリクエストのプロッティング (altair.com)
該当ヘルプ英語:Visualize Results - Animation and Request Plots (altair.com)
2-1. 出力オプション
Analysis SettingsのGlobal simulation settingsでは、シミュレーションから作成される出力ファイルを選択することができます。
Output Settings > Resultでは、プロット出力のフォーマットを指定することができます。以下が含まれます:
- マルチボディ結果ファイル(MRF)
- ASCIIプロットファイル(PLT)
- Altairバイナリファイル(ABF)
Result Optionsのページの下部にあるWrite Debug Infoは、.logファイルに詳細情報を出力します。
該当ヘルプ日本語:DebugOutput (altair.com)
該当ヘルプ英語:DebugOutput (altair.com)
H3Dタブでは、アニメーション結果の設定を行うことができます。
2-2. 出力ファイルフォーマット
MotionSolveは常に以下の出力ファイルを生成します:
- LOGファイル: ソルバーからのメッセージ(解析の進行状況、エラーや警告、CPU時間など)が含まれます。
- MRFファイル: ソルバーの結果が含まれます。HyperGraphおよびHyperGraphを使った2Dおよび3Dプロットの作成に使用できます。しかし、その主な目的は、以下に説明する3つのファイルの作成を容易にすることです。この.mrfファイルはバイナリファイル形式です。
以下はオプションです:
- ABFファイル: HyperGraphを使って2Dおよび3Dプロットを作成するためのものです。バイナリファイル形式です。データ点数が多い場合は、下記のPLTファイルより高速です。
- H3Dファイル: HyperViewを使用して結果をアニメーション化するために使用されます。バイナリファイル形式です。
- PLTファイル: ASCII形式のプロットデータ。PLTファイルは、MotionViewのLoad Exportユーティリティを使用してNastranおよびOptiStructに荷重を転送するために使用されますが、HyperGraphを使用して2Dおよび3Dプロットを作成するためにも使用できます。
2-3. MotionView Runからプロットにアクセスする方法
一般的なアニメーションは、結果ファイルが存在する場合にアニメーションガイドバーを使用してMotionViewで実行することができます。
実行アイコンに青いチェックボックスが表示されている場合は、解析が完了し、結果ファイルが存在する状態を表します。
実行アイコンに青いチェックボックスがある場合、結果をロードすることができます。実行アイコンを左クリックして結果をロードします。
HyperGraphおよびHyperViewを使用したプロットは、Run Statusまたは実行履歴(Run History)ダイアログのPlotまたはAnimateボタンをクリックしてアクセスできます。
PlotまたはAnimateをクリックすると、追加のページがセッションにロードされます。 このページには、結果がロードされたHyperGraphまたはHyperViewクライアントが含まれます。
2-4. HyperViewの特徴
Altair HyperViewは、有限要素解析、CFDおよびマルチボディシステムデータのための完全なポスト処理および可視化環境です。CAE結果のポスト処理におけるスピードと統合性の新たなスタンダードです。
HyperViewは、データをインタラクティブに可視化するだけでなく、プロセスの自動化機能を使用して、ポスト処理作業をキャプチャし、標準化することを可能にします。HyperViewは、高度なアニメーション機能とXYプロット機能をウィンドウ同期機能と組み合わせることで、結果の可視化を強化します。
HyperViewはまた、3Dアニメーション結果をAltairのコンパクトなH3Dフォーマットで保存するため、HyperView Playerを使用して3Dウェブ環境内でCAE結果を可視化および共有することができます。結果テンプレートを使用することで、繰り返し評価を大幅に高速化できます。自動的に生成されるプレゼンテーションにより、さらに時間を節約できます。
- マルチページおよびマルチウィンドウのポスト処理
- 異なるシミュレーションの結果を効率的に評価するためのレポートテンプレート
- 複合材量を含む結果の包括的なポスト処理
- ほとんどのCAEソルバー形式をサポート
- NVH、航空、安全、CFD、製造の各業界に特化したツールキット
- テストデータとの結果の比較と相関
コンタープロット
結果リボンのコンターアイコンからアクセスします。
コンターパネルのResult typeドロップダウンメニューから、コンターを計算するために使用されるデータタイプ選択します。表示されるドロップダウンメニューは結果ファイルに依存します。
Resolved in ドロップダウンメニューから、結果を計算するために使用する座標系を選択します。使用可能なオプションは、Averaging method(平均化方法)の選択に依存します。
ベクトルプロット
結果リボンのベクトルアイコンからアクセスします。
ベクトルパネルのResult typeドロップダウンメニューから、ベクトルを表示するために使用されるデータタイプ選択します。表示されるドロップダウンメニューは結果ファイルに依存します。
Resolved in ドロップダウンメニューから、結果を計算するために使用する座標系を選択します。
アニメーションファイルにForceデータが含まれている場合、フォースをベクトルとして表示することができます。
現在選択されているコンポーネント(パーツ)に作用するフォースを表示するには、Result TypeとしてForcesを選択します。
下の例は、Joint Forcesをプロットしています。
該当ヘルプ日本語:HyperWorks (altair.com)
該当ヘルプ英語:HyperWorks (altair.com)
2-5. HyperGraphの特徴
HyperGraphは、多くの一般的なファイルフォーマットへのインターフェースを備えた、パワフルなデータ解析およびプロッティングツールです。 直感的なインターフェースと洗練された数式エンジンにより、非常に複雑な数式も簡単に処理することができます。
HyperGraphは、これらの機能と高品質のプレゼンテーション出力およびカスタマイズ機能を組み合わせることで、あらゆる組織向けの完全なデータ分析システムを構築します。
- プロセス自動化によるレポート作成とテンプレート
- 大規模データセットの効率的な重ね合わせと比較
- 極めて強力でカスタマイズ可能な数式ライブラリ
基本プロット
HyperGraphは、いくつかの異なるタイプのプロットを作成することができます。 選択すると、対応するリボンが表示されます。
線グラフ(Line Chart)リボン
棒グラフ(Bar Chart)リボン
複素結果グラフ(Complex Chart)リボン
ファイルのオープン
HomeツールグループのOpenツールを使用すると、Create Curves by Fileダイアログが起動します。 このツールを使用すると、1つのコンポーネントに対して複数の結果や複数のサブケースのカーブをプロットすることができます。
- Multiple Inputs - 同じデータ構造を持つ複数のファイルを選択し、現在のHyperGraphセッションですべてのファイルのデータを同時にプロットすることができます。
- X Source - X Sourceタブを使用して、Xタイプ、リクエストおよびコンポーネントデータを選択します。
- Y Source - X Sourceタブで選択した後、Y Sourceタブで、HyperGraphにデータをプロットするYタイプ、リクエスト、コンポーネントを選択します。
- Plot Options - プロット中に一度に多くのオプションをセッションに適用します。
該当ヘルプ日本語:HyperWorks (altair.com)
該当ヘルプ英語:HyperWorks (altair.com)
3. マーカ
この章では、マーカについて学習します。
該当ヘルプ日本語:Markers (altair.com)
該当ヘルプ英語:Markers (altair.com)
3-1. マーカの定義
マーカとは何でしょうか? マーカは、幾何学的要素の位置を一意に測定するために使用されます。マーカは次のような参照として使用できます:
- 剛体、弾性体、質点のローカルパート参照フレーム(LPRF)を定義する
- 拘束要素(ジョイント、モーション)の接続を指定する
- 力要素における接続を指定する
- Reference_Curve、Reference_Surface、Post_Graphicの参照座標系を定義する
- 変位、速度、加速度測定用の出力チャネルを定義する
マーカの設定は、エンティティエディタを使用して確認および編集することもできます。
3-2. MotionViewで生成されるマーカ
MotionViewでは、マーカは他のエンティティを作成するときに暗黙的に作成されます。
これには、ボディ、ジョイント、フォース、ブッシュ、スプリングなどが含まれます。通常、作成されるエンティティによって、IマーカーとJマーカーの両方が含まれます。
暗黙的マーカは、測定や力の定義などに役立ちます。
そのため、内部階層(Expression Builderがアシスト)を通してアクセスすることができます。
Expression Builderは、これらの暗黙的マーカを用いた出力関数をDX、AXなどとして公開しています。
3-3. マーカの作成方法
MotionViewクライアントでマーカを作成するには、以下の方法があります:
- Model BrowserでModelを右クリックし、Add > Reference Entity > Markerを選択します。
- Model BrowserでMarkersを右クリックし、Add Marker...を選択します。
- ジオメトリ(Geometry)リボンから、マーカツール(Markers tool)を選択します。
ガイドバーのチェックボックスを使用して、ジョイントがシングルかペアかを選択します。
マーカを付けるボディ(Body)と、マーカの原点(Origin)を選択します。
ガイドバーのボタンまたはグラフィックエリアの ボタンを押して選択を受け入れ、新しいマーカを作成するか、または を押して選択をキャンセルし、ガイドバーを終了します。
マイクロダイアログの方向オプションかエンティティエディタを用いてマーカの方向を決定します。
どちらの方向オプションにも、1軸または2軸の指定方法があり、軸をポイント、ベクトル、またはDx/Dy/Dzで指定します。
4. 解析の種類
この章では、解析の種類・シミュレーションタイプの定義について学びます。MotionSolveのアナリシスエンティティエディタでは、さまざまな解析を設定することができます。
これらは、異なる物理シミュレーション技術を導入し、モデルの異なる動作を解決するために使用することができます。以下について説明します:
- 過渡・Transient(運動学・Kinematic/動力学・Dynamic)
- 静解析・Static
- 準静解析・Quasi-Static
- 線形・Linear
- 組み合わせ・Combinations
該当ヘルプ日本語:モデルのシミュレーション (altair.com)
該当ヘルプ英語:Model Simulations (altair.com)
4-1. 運動学・Transient Kinematic
Transientシミュレーションには、シミュレーション全体を通して進行する時間という概念が含まれます。
Kinematicシステムには、未知の自由度(DOF)は含まれません。すべてのボディの自由度はモデル内で拘束されます。自由度0のモデルです。
拘束条件とその時間微分は、システムの変位、速度、加速度を計算するために使用されます。次に、拘束反力を計算するために、力の釣り合いの方程式が代数的に使用されます。従って、解は本質的に代数的に求まります。
4-2. 動力学・Transient Dynamic
Transientのうち、システムに未知の自由度を含む場合はDynamic解析となります。
このシステムは、最も一般的な形で運動方程式を解きます。MotionSolveは、動的シミュレーションのための3つの異なる方程式定式化をサポートしています:
- ODE – With integrators:
- VSTIFF, MSTIFF (stiff and non-stiff)
- ABAM (only non-stiff)
- DAE : DASPK Index-3 (I3)
- DAE : DASPK Index-1 (SI1) (Stabilized)
デフォルトはDAE : DASPK Index-3 (I3)で、精度・ロバスト性のバランスが良く、多くのケースでうまくいきます。
4-3. 静解析・Static
Staticシミュレーションは、1つ以上の自由度を持つモデルの平衡位置を求めます。このシミュレーションには時間の概念はありません。
MotionSolveは、静的シミュレーションのための2つの異なる方程式をサポートしています:
- Maximum Kinetic Energy Attrition Method (MKEAM)
- Force Imbalance Method (FIM)
- FIM_S
- FIM_D
4-4. 準静解析・Quasi Static
Quasi-Staticシミュレーションは、ゆっくりと動く系の平衡状態を求めます。
以下の特徴があります。
- 力は時間の関数です。
- 速度と慣性力は無視されます。
- 各時刻での静的な力の釣り合い問題を解きます。
- 支配方程式は本質的に代数的です。
以下の用途に使用されます。
- サスペンション設計
- 安定性解析(チルトテーブル)
- 定常状態シミュレーション
4-5. 線形解析・Linear
Linearシミュレーションは、任意の動作点におけるシステムのモードを求めます。また、任意の動作点におけるシステムの伝達関数を評価します。
以下の特徴があります。
- ある時刻における運動方程式を線形化する。
- 固有値問題を解いてシステムの周波数とモード形状を求めます。
- 入出力チャネルの仕様を使って状態空間表現の伝達関数(ABCDマトリクス)を計算します。
以下の用途に使用されます。
- 安定性解析
- NVH
- 制御システム設計のためのプラントモデル
4-6. Static + Transient および Static + Linear
デフォルト解析の組み合わせもあります。
Static+Transientは、システムの静的平衡から過渡解析を開始します。これは、システムを無負荷状態でモデル化する場合に便利です。
Static+Linearでは、初期条件を使用してシステムを配置し、その状態で線形化できます。
Scripter Simulationを使用すると、テンプレートで任意の解析の組み合わせを作成できます。シミュレーションコマンドの間にDeactivate/Activateステートメントを設定して、システムを変更することができます。また、SAVE/LOADを使用して、リスタート解析を呼び出すこともできます。
MotionView/MotionSolve 入門コース トップページ
使用製品:Altair MotionSolve/MotionView
よくあるエンジニアからの質問はこちら