Inspireで作成した機構モデルをMotionViewで使用する場合の注意点
本記事では、Inspireで作成した機構モデルをMotionViewで使用する場合の注意点を説明します。
下記記事で作成したモデルを例に説明します。
箱詰めしたボトルの輸送時のダメージを評価したい - Inspire Motion - Altair Products - Altair Community
1. Inspireで作成した機構モデルをMotionViewでそのまま使用する
InspireのMotionメニューのMotion Run Settingを開きます。
Export -> MotionViewでUnit Settingで出力する単位系を指定した後(MMKS推奨)、Export .MDL fileでmdlファイルを書き出します(bottle_transport_box_MMKS.mdl)。
MotionViewのFile -> Open -> Modelより、Inspireから出力したmdlファイル(bottle_transport_box_MMKS.mdl)を開くと、MotionViewでモデルを開くことができます。
そのまま解析実行できますし、モデルを修正することも可能です。
2. Inspireで作成した機構モデルをMotionViewの他のモデルに追加する
Inspireで作成した機構モデルをMotionViewで開くと、システム内で定義されていることがわかります。
システムはエクスポート/インポートができるため、既存のMotionViewのモデルにこのシステムを追加することができますが、数点注意が必要です。
ここではその注意点を説明します。
2-1. システムのエクスポート
File -> Export -> MDL Definitionよりシステム部分をmdlファイルとして出力できます。
画面左のモデルブラウザーで書き出したいシステムを選択した状態で、上記のExportを選択すると、システムが選択された状態でExport Definitionの画面が表示されます。
出力先のファイル名を指定して、Exportをクリックすると、mdlファイルに書き出すことができます(sys_bottle.mdl)。
Inspireで作成したモデルでは、先のシステムのほかに、Data setsにブッシュのデフォルトの剛性・減衰が定義されています。
これも先と同様の手順で別のmdlファイルにエクスポートしておきます(sys_bushing_rate.mdl)。
2-2. システムのインポート
先に出力したシステムを既存のMotionViewへインポートする方法を説明します。
ここでは、新規モデルへインポートします。
File -> Import -> MDL Definitionでシステムをインポートできます。
開いたImport Definitionのウィンドウで、システムのmdlファイル(sys_bottle.mdl)を選択して、OKをクリックします。
ファイルに複数のdefinitionが含まれる場合は、インポートしたいdefinitionを選択します。
システムが追加されますが、Checkを行うといくつかのエラーが出てしまいます。
同じ手順でデフォルトの剛性・減衰が定義されたData setsのmdlファイル(sys_bushing_rate.mdl)もインポートします。
いくつかエラーの数は減りますが、まだ、エラーが残ります。一旦モデルを保存します(import_mdl.mdl)。
残りのエラーはグラフィックの色指定になります。
Inspireから出力したmdlファイル(bottle_transport_box_MMKS.mdl)をテキストエディタで開くと、下部に下記記述があります。
*ColorMaterial (mat_97b6d8, "#97b6d8") *SetColorMaterialSimple (mat_97b6d8, 0.592156862745098, 0.7137254901960784, 0.8470588235294118) *ColorMaterial (mat_c2d59a, "#c2d59a") *SetColorMaterialSimple (mat_c2d59a, 0.7607843137254902, 0.8352941176470589, 0.6039215686274509)
これを、import_mdl.mdlに追記し、再度MotionViewでimport_mdl.mdlを開くと、エラーはすべて解消されます。
グラフィックの色もInspireと同じになっていることを確認してください。
2-3. システムのコピー
システムはコピーして再利用することが可能です。
ただし、Inspireで作成したモデルは一部絶対パス指定でモデルが定義されているため、再利用には注意が必要です。
import_mdl.mdlにもう一つシステムを追加したいと思います。
システムにはvarnameが定義されており、これが重複することは許容されません。そのため、同じシステムを再度追加する場合は、varnameの変更が必要です。
システムをインポートする前に、すでに追加したシステムのvarnameを変更します。例えば、sys_bottle_transport_box -> sys_bottle_transport_box1
合わせて、わかりやすいようLabelも変更しておきます。
その後、sys_bottle.mdlをインポートします。インポート時にVariable名を変更することも可能ですが、ここでは変更しないでください。
ここで変更すると、絶対パス指定の定義が壊れます。そのままの名前でインポートしてください。
インポート後、追加したシステムのvarnameを変更します。例えば、sys_bottle_transport_box -> sys_bottle_transport_box2
合わせて、わかりやすいようLabelも変更します。
Moveツールを用いて、追加したシステムを平行移動させます。
以上でエラー無く、システムの再利用が可能です。
使用ソフト