Inspire Formによるプレス成形のワンステップ解析
プレス成形シミュレーションには、主にインクリメンタル解析とワンステップ解析の2種類の方法がありますが、設計初期段階での検討プロセスでは、製品品質および金型設計を最適化するために、ワンステップ解析がよく使用されます。ユーザーは数十秒程度の計算時間で初期製品開発段階でのプレス成形性を予測する事が出来ます。
ワンステップ解析とは
Inspire Formはワンステップ解析とインクリメンタル解析の両方のプレス解析を効率的に実施できるソフトウェアです。ワンステップ解析による解析ではプレス成型品の製品形状から平坦な素材形状(ブランク)に展開する逆解析と呼ばれる解法を使用しています。(図1)ブランク展開計算の際に、応力やひずみを算出し、板厚減少率の解析結果等からプレス成形性を検討することが出来ます。(図2) ワンステップ解析は非常に短い計算時間で実行が出来ますので様々な条件を変更した解析を実行して比較評価することが出来ることが利点です。
図1
図2
ワンステップ解析とインクリメンタル解析の比較
Inspire Formのワンステップ解析とインクリメンタル解析とのNumisheetモデルを使用した比較例になりますが、板厚減少率の比較では、インクリメンタル解析の結果と比較して十分な精度を保ちながら、数十倍程度の速度を実現することが可能です。(図3)
Inspire Formはワンステップ解析を簡単に設定して超高速に計算することが出来ます。更に、ワンステップ解析の結果を使用した自動スプリングバック解析機能により、スプリングバックの傾向も迅速に検討することが出来ます 。
図3
プレス成形検討では初期段階での成形実現性を考慮したスピード重視の設計が非常に重要になります。ワンステップ解析については今回ご紹介しましたInspire Formの製品以外にもInspire やHyperWorksのResults Initializer機能などにも幅広く適用されています。