MultiScale Designer で層間剝離はできますか?
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MultiScale Designer は材料特性を計算するツールです。層間剝離は、材料特性ではなくて、形を持った物体の変化ですので、Radioss を使ってください。
CFRP の材料を MultiScale Designer 材料にして、接着剤を Radioss の /MAT/LAW59, /FAIL/CONNECT で模擬するのが、簡易さと精度のバランスが良いと思います。
例題を添付したので、試してみて下さい。上下の層の材料は MultiScale Designer 材料、真ん中の接着剤が /MAT/LAW58+/FAIL/CONNECT です。
MAT59 はこの例ではこうなってます。ヤング率を現実の接着剤の厚さで割ることで、厚さを単位長さ(本モデルの単位系は mm なので 1mm) 変化させるのに必要な応力、となります。これにより、実際の厚みと、モデルの厚みが異なっても大丈夫です。厚み 0mm にすることもできます。これだけだとただの弾性材料なので
/FAIL/CONNECT で破断特性を決めます。今回の例だと、厚み方向に変形させられると、じわじわと応力が低下して、最後ぶちっとはがれてしまう設定です。
MultiScale Designer は非常に基本的な長繊維 CFRP です。aaa.mic を開いて実際に見てみてください。また MultiScale Designer 材料を Radioss で使う方法は、こちらの演習書をご覧ください。
最後にもう一度述べますが、MultiScale Designer はこういう形のある物体に対するシミュレーションに材料特性を提供するものです。実際の剥離や破壊や大変形や振動と言った挙動は、RADIOSS や OptiStruct と組み合わせて再現します。
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