Altair Physics AIとの連携による高速プレス成形解析
Inspire Form/HyperFormは、金属のプレス成形プロセスをシミュレーションするソフトウェアです。プレス成形プロセスの設計課題として、最適なブランク形状および寸法の決定があります。プレス成形時の成形性を満足するブランク寸法の早期の導出が求められます。ここでは、ブランク寸法の変化がプレス成形性に及ぼす影響を検討しています。Altair Physics AIは、過去のシミュレーションデータから学習することで、高速な物理予測を実現します。
以下は幾つかの寸法のブランク設計を学習した簡単な事例です。解析モデルはS字型の絞り型を使用しました(図1)。
図1
ブランク板厚は1.0㎜で、ブランクサイズは0.5mmずつ大きくなる様に変更したものを20ケース学習用に用意して計算しました(図2)。Physics AIの学習には、トレーニングとテストのためのデータセット作成を各セットでインクリメンタル解析の計算時間が約30分程度(x20)要しました。
図2
次に、学習した過去データに対して、新ブランク寸法をPhysics AIで実施した場合、60秒程度でプレス成形結果を予測出来ます。Inspire Formで実施した解析結果と比較しても定性的にも定量的にも大差ない結果が得られています。(図3)
図3
この様にプレス成形のプロセスでは、成形性を考慮したブランク寸法を検定する検討はAltair Physics AIを使用して非常に高速に検討する事が可能になりました。Inspire FormとPhysics AIを連成した新機能は、その様な検討を行う事が出来ます。
なお、今回のブログ作成にあたり、モデル作成など多大な協力をAltair IndiaのSaurabh Bhamania氏より頂きました。ありがとうございました。