計算中の最大主応力の最大値を知る方法


アニメーションファイルでも履歴プロットファイルでも、出力した瞬間でないときのことは分からないので、出力してないときに最大主応力がどうなっているのかは分かりません。

そこで /FAIL/VISUAL と言う機能を使います。

https://2022.help.altair.com/2022/hwsolvers/rad/topics/solvers/rad/fail_visual_starter_r.htm

 

検証は、次のモデルで行います。

検証モデル

 

このときの /IMPDISP の使う /FUNCT は次の通りですが、あえてピークとなる t=0.005 では出力しません。モデルは 10mm辺なので、公称ひずみ 0.1 がピークです。

#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
##HWCOLOR curves 1 24
/FUNCT/1
#title                                                                                              
impdisp                                                                                             
#                  X                   Y
                 0.0                 0.0
               0.005                 1.0
                0.01                 0.0
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

 

分かりやすくするために材料は /MAT/PLAS_JOHNS の a=1e30 (初期降伏応力) として、塑性域に入らないようにしています。ヤング率 1000MPa のため、公称応力は 100MPa がピークとなります。

#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
##HWCOLOR materials 1 7
/MAT/PLAS_JOHNS/1
material1                                                                                           
#              RHO_I
1.00000000000000E-09
#                  E                  Nu     Iflag
              1000.0                 0.3          
#                  a                   b                   n           EPS_p_max            SIG_max0
1.00000000000000E+30                 0.0                 1.0                                        
#                  c           EPS_DOT_0       ICC   Fsmooth               F_cut               Chard
                                                                                                    
#                  m              T_melt              rhoC_p                 T_r
                                                                                
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

 

プロパティも公称応力を簡単に検証できるように、Ismstr=1 (公称ひずみ、公称応力で計算する)として、板厚変化も考慮しません (Ithick=blank)

/PROP/SHELL/1
property1                                                                                           
#   Ishell    Ismstr     Ish3n    Idrill                            P_Thick_Fail
        24         1                                                            
#                 Hm                  Hf                  Hr                  Dm                  Dn
                                                                                                    
#        N   Istrain               Thick              Ashear              Ithick     Iplas
         5                           1.0                                                 1
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

 

ではいよいよ /FAIL/VISUAL の設定です。/FAIL/VISUAL は最大主応力/C_MAX を吐き出します。ただし最大主応力が C_MAX を超えると 1.0 で頭打ちになります。つまり、適当に大きい C_MAX を選んで、1 を超えないようにしておけば、後から簡単に最大値を知ることができます。ここでは C_MAX=1000MPa としています。

#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/FAIL/VISUAL/1
#                        C_min               C_max
                                              1000

 

この /FAIL/VISUAL をアニメーション出力するにはエンジンファイルに 

/ANIM/SHELL/DAMA/ALL

です。

 

最終時刻のアニメーションでこのように確認できます。100MPa に到達しているはずで C_MAX=1000MPa ですので、0.1 は正しく出ていることが分かります。

 

この値に C_MAX を掛ければ元の最大主応力なので、HyperView で C_MAX 倍すると良いです。

HyperView 確認方法

HVで最大主応力最大値確認

 

本記事で使ったデータのダウンロード: 01_one_elem_test_model.7z

 

アルテアジャパン公式製品リンク

https://www.altairjp.co.jp/radioss/