液体の影響を考慮した振動解析には MFLUID 仮想流体質量の使用が簡単です。


概要

OptiStruct には MFLUID という便利な仮想流体質量機能があります。仮想流体質量が何かというと、私も数式モデルをきちんと正確に理解しているわけではないので、ざっくり説明すると、

となります。

流れ場を計算するなんてなると、流体部分のモデリングまで大変だなあと、思うかもしれませんが、実際の作業は、液体に接するサーフェスに MFLUID カードをくっつけるだけですので、モデルとしては見た目、普通の構造モデルと何ら変わらないです。下図は丸い筒のモデルですが、普通のシェルモデルであり、流体メッシュは必要ありません。

モデル


検証情報

実際に、上図のモデルを使った検証モデル、検証データがオンラインヘルプにてユーザー様向けに公開されています。リンクをたどってもらうと、実験とかなり良く一致していることが分かります。検証モデルですが、MFLUID 設定の例としても利用できます。

https://2021.help.altair.com/2021.2/hwsolvers/os/topics/solvers/os/dynamic_behavior_fluid_containing_structure_using_fluid_example_os_r.htm

固有値アニメ


制限

何にでも合うと言うわけではなく、制限もあります。こちらに詳しく記載があります。

https://2021.help.altair.com/2021.2/hwsolvers/os/topics/solvers/os/dynamic_behavior_fluid_containing_structure_using_fluid_example_os_r.htm


粘性、渦のないポテンシャル流れですので、イメージ的には深い水を静かに揺らすようなイメージになるかと思います。スロッシングでバシャバシャするとか、液面が浅くてバシャバシャする、水を叩くような挙動に適用してしまうと、かなり実験とは結果が変わってくるかと思われます。


それから、液面はフリーである必要があります。閉じた空間に完全に水で満たしたような物体に使ってしまった場合も、かなり実験との差が出てくると思われます。


実験と見比べて、適用するしないを決めてみてください。