FEKO + Compose + OptiStruct でマイクロ波加熱シミュレーションを行う方法


概要

マイクロ波加熱シミュレーションは次の流れで実施できます。

  1. FEKO で電場の解析を行い、電気的なエネルギー損失を外部のファイルに出力
  2. 電場から見たエネルギー損失は、構造からみた発熱です。Compose で OptiStruct フォーマットの発熱条件に作り変えます。
  3. 伝熱特性や必要な境界条件等を設定して OptiStruct で計算


FEKO to OS


本記事は Tutorial_Feko_OptiStruct2021_ssthermal.pdf の内容を基に作成しています。


FEKO でエネルギー損失を外部ファイルに出力する設定

参考ファイルは 演習用データ.7z の 01_Feko_Project です。


CADFEKO で次の設定をすることで、.nas (OptiStruct 形式のメッシュデータ), .epl, .map (エネルギー損失データ) を計算実行後に出力します。


Compose で OptiStruct 発熱データを作る

 演習用データ.7z の 02_OutputfilesfromFeko に含まれる map.oml と update.py を使用します。


map.oml を読み込んで開始します。


作業フォルダの設定状況によっては、このダイアログが出てきます。これが出たら、ディレクトリの変更です。これで、作業フォルダが map.oml のあるフォルダに変わります。


あとは順次ダイアログの通り、ファイルを選択していきます。

で、最後に出力する OptiStruct ファイル名を指定します。


しばらく待つと、以下のファイルができあがります。heat-loss_何某.fem は先ほど自身で指定したファイル (ここでは AnonymousFileName.fem) にインクルードされています。

HyperWorks でモデルを仕上げる

演習データ.7z の 03_InputfilesforOptiStruct が Compose で作成した直後のモデル, 04_OptiStruct_SS_Thermal が完成したモデルです。OptiStruct モデルへの操作方法を趣旨とした記事ではないので、細かい操作方法は割愛します。Tutorial_Feko_OptiStruct2021_ssthermal.pdf には操作も記載されています。

Compose 変換直後のデータは、空間部分が含まれているので、削除する必要があります。

材料が無いので、材料設定も必要です (MAT4).


発熱条件が、ソリッド要素向けと、シェル要素向けで、異なるロードコレクターに分かれているため、演習書では LOADADD で一つにまとめています。

ロードコレクター


演習書では、各表面に熱伝達条件を付けています。04_OptiStruct_SS_Thermal\Antenna_SS_Thermal2.fem では PCONV グループに格納されています。


最後に定常熱伝導解析を実行と言う流れになります。

OptiStruct モデルを作成する作業は動画でも説明します。