Radioss で簡単に減衰を掛けて準静的な解析を行うときは /ADYREL が便利です。


Radioss は動解析なので物を動かせば必ず振動します。ゆっくり動かせば人間にはほとんど観測できないレベルとなります。しかし、例えば材料引張り試験や三点曲げ試験などを何十秒、何分という現象時間のシミュレーションではとんでもない計算時間となるので、上手に減衰を掛けて、短い現象時間で終わらせたいという需要は当然あります。


そうなると次はどれくらいの減衰を掛けたらよいかというのが難しくなってくるのですが、Radioss では /ADYREL と言うカードで、自動で減衰の強さを調整してくれる機能があります。


使い方は Engine ファイルに

/ADYREL

と書くだけです。


実際に次のように片方を押さえて片方に初速を与えた場合、

モデル説明


/ADYREL で減衰を与えない場合、内部エネルギー (Internal Energy) と運動エネルギー (Kinetic Energy) で見てみると、ずっと振動し続けることが分かります(要素計算時の安定化のための小さな数値粘性により少しは下がりますが)。

ADYRELなしのエネルギー履歴


一報で /ADYREL を与えると、すーっと減衰して停止させることができます。

エネルギー履歴ADYRELあり


本モデルはこちらです。