AltairのAI搭載エンジニアリングソリューションに関するよくある質問5選

Takahiro_Shibata

1. エンジニアリング用途向けのAIは、私のノートPCで動きますか？それともクラウドアクセスが必要ですか？
   
   AIを活用したエンジニアリングソリューションはノートPC上でも動作可能ですが、流体解析（CFD）などの負荷の大きいタスクには、クラウド上のハイパフォーマンスコンピューティング（HPC）を使う方が効率的です。
   とはいえ、Altairの physicsAI、romAI、HyperWorks プラットフォーム、RapidMiner プラットフォームは、いずれもノートPCから利用できます。必要に応じてクラウドコンピューティングへ簡単に接続できるワークフローも備わっています。
   
   
2. テストデータセットとシミュレーションデータセットの両方をAIモデルの学習に使った場合、新しいシミュレーション結果を予測する際に、特定のモデルを選択できますか？
   
   一度、特定のデータセットでAIモデルを学習させると、その後の予測においてどのデータ種別（テストデータかシミュレーションデータか）を使うかを区別して選ぶことはできません。
   つまり、学習にテストデータを含めた場合、予測をフィールドデータ(テストデータ)だけで行うといった指定はできません。
   ただし、データソースごとに複数のAIモデルを作成することは可能です。例えば、シミュレーションデータからAIモデルを作り、フィールドデータから別のAIモデルを作成するという方法です。また、どのようなAIモデルを作りたいかに応じて、すべてのデータ種別をまとめて学習に使うこともできます。
   
   
3. Altair romAI と Altair physicsAI はどのような課題に使うのですか？
   
   問題の種類や、求める結果や洞察によって異なります。
   非常に複雑で大規模なシステムを対象に、そのシステムをできる限り正確に再現したい場合は、romAI が適しています。romAI は少量のデータから効率的に高精度な縮約モデル（ROM）を生成し、複合的な物理現象を含む様々なシナリオを予測できます。
   一方、physicsAI は一度に1種類の物理現象の予測に特化しており、設計段階で多数のデザインを迅速に評価するために使います。新しいモデルに対して、面圧や応力など構造結果のコンター図をすぐに生成できます。
   Altairでは、アプリケーションに応じて最適なツールを選べる明確な指針を用意しています。
   
   
4. 設計エンジニアとして、まずAI/MLを学んでからエンジニアリング課題への適用を考えるべきですか？
   
   データサイエンスの経験がないエンジニアでも、HyperWorksプラットフォームの前処理・後処理・組み込みAIを活用すれば、既存のワークフローを用いてデータにアクセスし、AIモデルを学習させ、予測を始めることが可能です。Altairの専門家から数時間のトレーニングを受ければ、どの場面でどの手法を使うべきか理解できます。
   ただし、自社内でAIの推進役（AIチャンピオン）になりたい場合は、さらに踏み込んだトレーニングや経験が必要です。
   
   
5. HyperWorks はシミュレーション専用で、RapidMiner はAI・機械学習専用なのですか？
   
   はい。その通りです。RapidMiner はデータ分析用の機械学習・AIプラットフォームです。一方、HyperWorks はAIで強化された設計・シミュレーションプラットフォームです。
   例えば physicsAI、expert AI、shapeAI は HyperMesh の設計・シミュレーションワークフローに組み込まれており、RapidMiner に直接アクセスしなくても利用できます。場合によっては、HyperWorks と RapidMiner を組み合わせるのが最適なケースもあります。ただし設計、予測分析、フィールド予測はHyperWorks単体でも実施できます。

まとめると、データを活用して戦略的なデジタル資産を構築した組織は、革新的な発見や継続的な改善を促進できます。

このテーマについては、以下のウェビナーで詳しく説明しています：
「The Fish Are Byting: How to Reel in the Right Data for Your Digital Transformation（魚が食いついている今、デジタル変革に最適なデータを釣り上げる方法）」